◆先住諸部族連合
正式国名 先住諸部族連合
総人口 4000万人(百万単位以下四捨五入)
日系人構成比率 26%
首邑 函館
元首 大酋長
首相 議長
国家形態 立憲君主制



●特徴
地理
 北アメリカ大陸の北西部一帯をその版図としている。ウィニペグ湖を挟んで英領カナダが、大陸西端部にはアイヌのレプンモショリ、そして南部国境線の向こうにはアメリカ連合が存在している。
 国土は大きく、西海岸部、山岳部、中部平原、北部地方に分かれている。
 全体として北に位置していることから、寒冷な地方が多く、さらに山岳部は世界有数の大山脈であるロッキー山脈が横たわっている。
 人口は、西海岸南部地方と中部平原に集中している。
 また、東部の要衝ウィニペグとその周辺の国境地帯は、アメリカとの対立する最前線として、常に戦時のような軍事的緊張があるのは有名である。

政治
 北米大陸に存在する先住諸部族の三分の二がこの国に存在しており、またアイヌ人、日本人などの外来者も多数居住する事から民族的に統一するのが難しく、全ては「アメリカ憎し」の感情がこの国を一つにしていると言える。
 政治的には大酋長と呼ばれる全ての部族、民族の上に立つ代表が元首となっている。これは民主社会の「大統領」とは違い、部族の長のその頂点に立つ存在と言う意味がある。
 この大酋長は10年満期で、国揚げての部族会議で選出される準国王のような存在で、どちらかと言えば部族が結束するための「象徴」としての側面が強く、その政治的影響力は憲法の上では低い。
 反対に国政は、議長を頂点とする内閣と議会が担っており、こちらは完全に近代化された制度を有してる。
 このため、この国の制度は国際的には「立憲君主制」と認識されている。


文化
 トーテムやマニトウと言う言葉に代表される、独自の自然崇拝が文化の根底にある。
 しかし、外来者との戦いの歴史の中、混濁してしまったものや、滅び去ってしまった部族や文化も多く、また「同胞」となってしまったアイヌ人や日本人からの文化にも大きな影響を受けており、現在では16世紀以前の文化は、文化遺産以外は完全な形では存在しないと言われている。
 しかし、独自の宗教観や民族観を強く持っており、純朴だが力強い文化を創り上げている。
 また、もともと文字を持たなかった事もあり、その方面では日系のものが多く取り込まれ、「マニトウ語」としてアイヌ語の一変形形態のような文字が作られている。
 ちなみに、世界中で最も盛大に冬至と夏至の祭りを行うのが有名になっている。


産業
 中部地方の平原にある広大な春小麦地帯と、国中に存在する豊富な鉱産資源がこのこの国の主な財源となっている。これらを輸出する事で、工業製品を輸入の経常収支を合わせている。
 国内に重工業が少ない事は、主に国防上の問題から危険と判断され、近年日系資本の援助を受けて建設が進んでいる。
 また、アメリカ連合に対抗するために、強大な軍備を常に整備している事から、国家財政に占める国防負担が大きく、この国の産業の発展を著しく阻害している。
 なお、当然だが国境が隣接しているアメリカ連合とは全く貿易は行われておらず、主な取引相手は、日系諸国と英連邦諸国である。


歴史
 他の文明社会からの来訪者が来るまでは、北米大陸一帯にそれぞれの部族単位に分かれ、原始的な国家を形成し、豊かな生活をしていた。
 15世紀半ばに西海岸よりアイヌが主に商業目的で進出を始め、15世紀末に欧州人がカリブにその足跡をしるし、以後急速に双方の海岸から多数の来訪者を迎かえるようになる。
 しかし、その後双方がもたらした疫病により先住民族の数が激減、急速に勢力をなくしていく。反対に、外からやって来たものたちの勢力は増大していった。
 その後、外来者の急先鋒であるスペイン人もアイヌ人も南にその関心を向けたが、17世紀に入り、1620年東西海岸で相次いで、イングランド人、日本人による入植地が建設され、以後双方の海岸部での植民活動が活発になり、西では同化政策の元植民が進められ、東では駆逐しながらの植民が進められた。唯一、アイヌが商業圏としていた北アメリカ大陸北西部とアズトラン地域だけが例外で、両者は混在しつつ共存していた。
 以後18世紀までに、東海岸地方の先住民族は壊滅し、新出雲(カリフォルニア)の先住民族は、日本民族に同化されつつあった。
 1756年、イギリスとフランスの間の勢力争いが元で戦争が勃発、フランスは北米経営から脱落。
 さらに1783年アメリカ合衆国が建国され、彼らは手前勝手な政策の元、先住民族に対する侵略を本格化する。これに対し諸部族も果敢に抵抗したが、その近代武器には対抗できない事から、交易相手で同じ様な文物を所持している西海岸の隣人達であるアイヌ・日本系に援助を要請。こうして北米の大地は、軍事的に日系とアメリカ合衆国のどちらかの勢力に属する大地となる。
 両者の抗争は1823年一つのピークに達し、第一次北米動乱が発生し、圧倒的戦力を援軍として派遣したアイヌ軍の実質的勝利で終息。北米は、日系の援護を受けた先住諸部族の手に戻るかにみえたが、1845年の第二次北米動乱に反対に先住諸部族側は大敗を喫し、先住諸部族の政治的影響圏が現在の領土となる。
 以後、捲土重来を期した挙国一致体制を作り上げ、大草原への帰還を目標としてアメリカとのにらみ合いを続けている。


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