■解説もしくは補修授業「其の参」

●東京空襲
 ご存じ、冒険野郎ドーリットルの帝都殴り込みです。
 この作戦が行われるかどうかは、日本がどうこうと言うよりもアメリカがどうするか、と言う要素が大きくなります。アメリカの手持ちの母艦数が少なくても、同時期に行われる可能性は高いと思われます。
 また少々幸運だろうと、日本側の状況は史実と変わらないと見るべきでしょう。せいぜい、何機かの撃墜が行われる程度だと思われます。架空戦記的には、当時試作機だった「三式戦闘機」が見事敵機を撃墜というのが燃える展開でしょうか。
 もっとも、ちまたの架空戦記のように、なぜか事前に察知して待ちかまえたり、「偶然」本土近辺に日本側の有力戦力が存在するという事は、幸運の有無以前にほとんど考えられないので、全く同じと考えてもよいかもしれません。もし何か変化があったとしても、日本側の損害(死者)が少なく済むという程度が節度でないかと思います。
 また、その後のミッドウェー作戦へと続く道のりは、史実通りの展開となるでしょう。
 ただし、《エンタープライズ》は既に海神の御許に送り届けられているので、《ホーネット》以外の作戦参加は《ヨークタウン》《ワスプ》のどちらか、もしくは全てという事になるでしょう。
 なお、緒戦の移動中に潜水艦から雷撃を受けた「レディ・サラ」がサンディエゴから退院できるのは、早くてもMI作戦から二週間以後です。また、偶然の悪戯で「レディ・サラ」が撃沈するという事象は日本にとって魅力的ですが、今回は避けることにしました。五十六がハワイに突撃しかねませんからね(笑)

●珊瑚海海戦
 う〜ん、何だかお約束が続きますが、お次はここが思案の珊瑚海です。後の作戦を考えると、何とか箱入り娘の鶴姉妹をここに送り込まずに作戦を成功できると良いことありそうですね。
 もっとも、お気づきだと思いますが、すでにこの時点で史実から大きく逸脱しています。
 迎撃するアメリカ側はすでに「ビックE」がなく、太平洋での母艦数は増援を受けてなお三隻に過ぎない上に史実同様ドーリットル爆撃もしています。また一方、攻撃側の日本海軍は、真珠湾、インド洋で史実より激しい戦闘を行ってしまったため南雲艦隊に属する六隻の母艦航空隊が多少なりとも消耗してしまいました。おかげで南雲麾下の六隻の空母は航空隊再編成の必要から、数ヶ月は作戦参加が難しくなっています。
 そこでここでのポートモレスビー攻略は、国内に残るありったけの軽空母と増強されたラバウルからの航空隊により攻略する事としました。
 第三航空戦隊を軸とするなら、猛将角田もエントリーできますし、日本側にとって良いことづくめです(笑)
 なお、ラバウルには史実よりも二個中隊ほど多い「陸攻」を攻撃力の補完とします。このラバウルの陸攻部隊は、史実初期の米海軍のヒットエンドラン攻撃が《エンタープライズ》沈没の影響でラバウル方面にはなかったと判定したからです。つまり、史実でのラバウル攻撃がないため、ラバウル航空隊には消耗しなかった戦力が存在しているからです。これなら数合わせも万全ですね(w
 
 これに対して、空母不足に悩むアメリカ海軍は(「ビックE」の他、《サラトガ》も潜水艦の魚雷を受けてドッグ入り中)、日本側攻略部隊が軽空母数隻と情報を掴んだ事からレキシントン一隻としました。南太平洋方面での実働空母が他にない事と、攻略阻止が目的で艦隊撃破が目的でない為です。
 そして戦闘は、日本海軍にとって幸運な事に、史実どおり日本側は《祥鳳》を、米側は《レキシントン》を喪失して、戦闘は日本軍の勝利となり、皆様納得の仕上がりかと思います(笑)
 ただし、ここで何とか編成したばかりの第二機動部隊の航空隊が消耗するので、アリューシャン作戦は延期(中止)されます。

 なお、史実と同じパイロット数、艦載機数では、この時期南雲艦隊以外の航空隊は機材、人材共にかなりお粗末になります。そこで、《鳳祥》の航空隊も第二機動部隊に入れてしまいました。
 おかげで《鳳祥》は史実よりも早く練習空母となり、史実よりほんの少し早く空母艦載機パイロットの錬成に貢献するとしておきます。
 当然これは、これより数年後の布石の一つとなります(笑)

■フェイズ〇四「MI作戦」