■解説もしくは補修授業「其の六」

 さて、史実よりかなり派手な第一次ソロモン海戦の後はどうなるでしょう。
 アメリカ軍はこれ以上日本軍を進出させたくないと思っていますから、撤退は機動戦力が完全に壊滅でもしない限りないでしょうし、日本軍は史実以上に戦力を南方に集中しているので、やる気満々です。
 となると、お約束の第二ラウンドです。
 もっとも、そろそろ艦艇用燃料が気になり出す日本軍ですから、作戦を急ぎたいところです。何しろ史実の日本海軍は、南太平洋海戦ではギリギリの燃料で戦っていましたからね。ここでも状況はだいたい似たような有様です。
 だから日本側としては、角田艦隊に加えて南雲艦隊でもって敵を踏みつぶしたいところですがそれも適いません。航空隊再編成のため後退した角田艦隊に代わり、真打ち南雲艦隊が苦しい燃料事情を見つつ南太平洋に乗り出し、「FS作戦」用の部隊を転用してのガ島総攻撃となります。
 時期的には南雲艦隊の準備の整う史実同様の八月頃ですが、状況は史実の十月〜十一月ぐらいになります。当然、日本側を有利としました。
 そして、日本軍の大部隊(大規模な上陸部隊を伴う)を阻止しなくてはならないアメリカ軍は、日本軍の進撃に対して全力で対処する事になります。しかし、戦いはミッドウェー以上に分が悪く、ランチェスターモデルに従えば米機動部隊壊滅は確実でしょう。南雲は無様な奇襲さえ受けなければ、母艦の損失という事態には至らない筈になります。
 そしてラバウル、モレスビー、ガダルカナルを捜索拠点に使える日本軍にとっては、ミッドウェーよりはるかに有利な戦場です。史実のミッドウェーで南雲艦隊を襲った悲劇でも起きない限り、日本軍の一方的勝利というのがごく普通の結論となってしまいますし、ここではさらに日本側に幸運をもたらす攻撃を付け加えることで完璧を期してみました(笑)
 また、その後の戦艦同士による夜間艦隊決戦ですが、まあ日本海軍がちょーお約束な積極的姿勢を示したらあんなもんでしょう。そして「FS作戦」を続けたいという積極姿勢もありますから、新鋭戦艦投入もアリなんじゃないかと思います。
 あと、攻守逆転した地上戦も日本側の一方的な勝利という事はあり得ないと思うので、あの程度に落ち着かせました。

 なお、ここから史実から大きく逸脱して、「FS作戦」遂行になるのでしょうか、続きを見てみましょう。

 あ、そうそう言い忘れていましたが、日本側に幸運が傾く戦争ですので、水雷戦隊の酸素魚雷の過早爆発の問題は発生しなかったとしますよ。もちろん「偶然」問題が一度どこかどうでもいいような戦場で発生して、既に解決済みだからです(笑)

■フェイズ〇七「南太平洋撃滅戦」