■解説もしくは補修授業「其の拾」

 ここは、連合国側の太平洋での損害の積み重なりというバタフライの羽ばたきが、地球全土に影響を与えるという私の好きなシチュエーションの説明です(笑)
 このため、日本海軍が頑張ったおかげで、米英の空母の数が足りず(アメリカの《ワスプ》は早々に太平洋に回され、英海軍は正規空母2隻を失っている)にマルタ救援が長期間失敗して地中海の制空権が枢軸側の手にわたります。(ただし、それでもマルタを枢軸側が落とす事は無理でしょう。)
 このように連合国側の艦艇不足と日本軍の奮闘で、史実より少し多くの物資が太平洋に回されたり海の底にいってしまったという以上のトリックは使っていないつもりです。
 そして、物資を備蓄できると分かったロンメルがエルアラメインで腰を据えるという変化をもたらし・・・と言う風に全てをバタフライさせてみました。北アフリカから追い出されるという図式に、変化はないんですけどね。
 もちろんこれらの変化は、それを最も楽観的に捉えた場合の変化ということになります。ですが、連合国には今少し主戦線たる欧州で苦労していただかないと日本の講和が見えてこないと言う切実な問題があるので、少しファンタジーぎみに事態を進展させてみました。
 そして、ドイツでの人の面での変化がここで少し出てきます。それはロンメルはいまだ不敗のままだと言うことと、マンシュタイン、ケッセルリンクの名声がさらに上がっているという事になるでしょう。これはうまくいけばヒトラーの無茶な命令を覆すのに役立つ事でしょう。

 いっぽう日本海軍の改造計画ですが、私個人の視点から見た場合、史実と同程度の物資があった場合の最良の選択というファンタジーで想定したので、史実とかなり異なる状態になってしまいました。
 全ては、決戦場として設定するマリアナ、レイテでの戦いへのバタフライを引き起こすための我田引水に過ぎませんが、数ある市販の架空戦記を思えばこの程度たいしたことでないと思ってしまうのは、もはや私が末期患者と言うことなんでしょうか(笑)
 なお、空母部隊が健在で早期に日本海軍は戦艦を喪失するので、《信濃》が急ぎ戦艦として建造されます。また、空母を守るための艦艇に重視された建造、改装計画というのは、ありきたりですがごく普通に考え至る結論だと思うのですが、皆様はどう思われますか。
 また、《伊勢級》《扶桑級》は、単に主砲を下ろして防空装備を満載するだけなので、改装はけっこう簡単に終了するうえに長期間ドッグを占領することもなく、それでいて史実以上の活躍も期待できると思いますよ。ええ・・・まあ、所詮ファンタジーですけどね。


さ、そう言うワケで、次からはいよいよ妄想全壊、もとい全開でです。

・・・ま、既に全壊だと言う噂の方が大きいですが(笑)

■フェイズ十一「機動部隊激突」