■解説もしくは補修授業「其の弐拾五」

 大東亞戦争終結のための切り札登場です(笑)
 いや、笑っている場合でもないのですが、やはりソ連の参戦なくして日本の政府・陸軍の抗戦意欲をなくす事は難しく、共産主義の脅威なくして日本とアメリカが戦争を手打ちにするというのもまた難しいでしょう。
 特にアメリカの思惑を考えれば、日本側がいかに頑張ろうとも、この時代にベトナム戦争のような状態になる可能性はほとんど考えられません。もちろん、日本側が起死回生の勝利を掴むなども可能性としては限りなくゼロに近いでしょう。だからこそ、アメリカがこの戦争を続けても得はないと考えさせるには、東アジアの利権をソ連に持っていかれるかもと考えていただかねば、日本が「停戦」という形で戦争を終えられるとは到底思えません。
 そうでないなら、アメリカ側(連合国側)としては、日本は一度叩きつぶすべきなのです。それが、第一次世界大戦で得られた一つの教訓だった筈です。
 これがごく普通にたどり着く結論であり、たとえ架空戦記であったとしても避けられない筈の道筋です。ですが、だからこそ王道であり、史実と同じ政治的状況で戦争に突入し戦争展開で劇的な変化が訪れない以上これしかないでしょう。

 もちろん、日本もしくはドイツが初戦の段階でぶっちぎりで勝利してしまえば話しも変わってきます。ですが、日独勝利を最低条件で満たすには、ドイツが英本土を早期占領するか、モスクワを一撃で陥落させ、何かの間違いで日本軍が最低ハワイを占領すればの話しです。しかし、多くは火葬戦記的でない常識的範囲内で考えると、空想の域を出ない事象が多なります。しかもドイツが話の中心になる事柄ばかりで、本作の主旨に反するという事を頭の隅思い浮かべていただければ幸いです。
 あと、ここでのソ連対日限定参戦は、いかにも日本側に都合の良い架空戦記内でのスターリンぽいと思うのですが如何でしょうか(笑)
 また、南樺太・千島での戦いは、ここまで来るともはや鎮魂歌レベルなのは承知してます。間違いなくファンタジーに類する展開であり、史実の半年前の戦力を日本が維持していたとしても、これだけ日本がソ連に抵抗できるとは少し考えにくいでしょうね。
 戦いそのものは、日ソ双方かなり割り増しで戦っていますが、ここまで日本側に有利に運ぶ可能性は、それこそ『奇蹟』でもない限り難しいでしょうね。
 まあ、ソ連空軍の海でのヘタレぶりだけは全く同でしょうから(笑)、日本が有力な艦隊を派遣できればかなり有利になるのではと思いますし、私の脳内では、樺太や占守島にはハトハトを搭載した五式戦車がソ連軍を蹂躙しているので、これ以上の反論は自動的に却下させていただきます(笑)

 なお、今回の聯合艦隊出撃の方が、史実での「菊水作戦」、つまり大和特攻のオマージュに近く、相手にロクな海軍がいないので敵地突入が難なく成功し、陸に対して思う存分艦砲射撃をしてもらいました。
 それに、コンテンツの性格上、聯合艦隊の活躍がないと寂しいですからね(笑)

 『「大和」ト「武蔵」ハ日本ノ誇リ』です。

■フェイズ二六「カーテン・コール」