さて、再びお立ち会い。 この世界の「八八艦隊」は昭和14年(1939年)7月にようやく完成しており、あしかけ20年かけて16隻の戦艦が洋上に姿を現しています。 また、軍縮条約の影響もあって、戦艦以外の補助艦艇の保有数は史実の対米英7割ではなく5割になり、しかも戦艦建造のおかげで、史実の第三次、第四次海軍補充計画は実働レベルにおいて2年程度遅延しています。 この前提の上に、巨大戦艦の群を中心とした大東亞戦争が描かれているのが、本作品の最大の特徴です。 この前提の上に設定を解体してみましょう。 まずは、史実の資料からです。 史実の八八艦隊の建艦予算は合計で13.5億円。1921年までの追加予算を合計して16.5億円程度。それに付随する造船施設改修費用が1.2億円程度計上されました。ただし、史実の予算編成を見る限り建造費は年々増加し、これに毎年1億円程度の追加予算が必要となると考えられるので、1928年までにさらに7億円必要で、結果として24億円プラスαが必要という計算が成り立ちます。 また、艦隊維持費用は一年間に建造予算の一割が目安ですから、年間2.4億円が必要になります。 これを既存艦艇を含めてバッサリと割ってしまうと、最大で年間2.5億円の建艦予算、2.5億円の海軍維持予算、1.5億円の陸軍予算、トータル6.5億円の軍事費と言う答えが出てきます。 計画推進中の1920年の国家予算が約15億円で、このうち半分が軍備に投入され、史実の1921年の海軍予算は5.2億円、1926年だと2.39億円です。 辻褄はだいたい合っていますね。
また、八八艦隊の戦艦たちのお値段は、初期艦艇の改装費用を含めて1隻あたり約9000万円、トータル14.4億円です。 これ以外の艦艇のお値段を単純に見ると、中型正規空母5000万円、大型偵察巡洋艦(重巡洋艦)3000〜4000万円、駆逐艦600〜1000万円、潜水艦が駆逐艦の一割増しと言うことになります。 そして、この世界では日本の補助艦艇は対米英5割ですので、史実での補助艦向け予算の3割が戦艦建造に傾き、「赤城」、「加賀」も戦艦として完成するので、この分の予算も戦艦に向かいます。 そして、史実と全く同じ海軍予算だと仮定してこれらを差し引きすると、八八艦隊の戦艦のうち8隻は、史実と全く同じ予算でも建造・維持できる事になります。足りないのは、残り8隻のモンスター戦艦の分です。建造費用が8隻合計で7億円、維持費が年間7000万円、こいつをどこからか捻出しなければいけません。最低でも建造費用はどこかで無理する必要があるでしょう。なぜ建造費用だけが必要かと言えば、この世界では、陸軍と航空兵備が割を食っているからです。維持費用だけならこれでなんとかなります。
さて、陸軍1個師団で戦艦1隻分の予算が必要と言われますが、この世界の陸軍はどうなるでしょうか。史実では大正時代の宇垣軍縮によって17個師団態勢でしたが、この世界では日露戦争にボロ負けぶっこいているので、そもそも兵隊と兵器の数が足りないから、日露戦争が終わった時点で開戦前の13個師団維持すら難しいでしょう。 増設分も含めて10個師団ぐらいが精一杯なのではと考えられます。 また、朝鮮が史実同様に併合されているようなので、この分の2個師団増設は必要で、関東州も持っているっぽいのでこれを考えると最低12個師団は必要になってきます。しかもシベリア出兵以後は史実とほとんど変化ない勢力圏を得ているので、陸軍のある程度の規模がどうしても必要になってきます。 そこで、日露戦争開戦前の13個師団態勢が日本陸軍の常態とするのが、お金と妥協の産物ではないでしょうか。これで、4個師団分の予算が浮いてきます。戦艦一個戦隊分の建造費用と維持予算ぐらいにはなるでしょう。 また、海軍と陸軍航空隊も史実より小さく、恐らく大東亞戦争開戦前までは7割程度しかないと思われますが、航空機は製造単価よりも維持費用がはるかに高く付くもので、これらも維持費用としてかなり期待できる額になります。
でまあ、ここからが重要なのですが、1926年の段階で、この世界の日本は、八八艦隊のうち初期の6隻しか就役しておらず、建造中も2隻だけ。「紀伊級」と「13号艦級」は資材収集の段階で軍縮会議を迎え、以後15年の間にこの8隻を建造すればよくなっています。 2年に1隻だから、1年あたり数千万円の余分な出費でオーケーです。 つまり、日本の軍拡は史実の1921年終息ではなく1926年終息になり、日本政府が史実と違った国家財政を歩む期間はこの5年間だけで、5年の間に八八艦隊計画で必要な予算から史実と同じ軍事予算をさっ引くと、何と15億円ぐらいになり、そのうち3億円ほどは陸軍予算の削減で切り抜けられます。まあ、1921年の財政状態をその後5年間維持するのは、日本経済の状況を見ると不可能ですから(何しろ不景気な上に関東大震災まである)、この間の八八艦隊に当てられる金額を半分の7.5億円に目減りさせたとしても、この金額は戦艦一個戦隊分の建造費用と10年分の維持予算全部と同じ額です。 もう分かりますね。小説内での説明にあるような、民衆への搾取につぐ搾取(長期的な増税や軍備偏中の予算編成)が本当に必要な期間は、日本の一般民衆が戦前で一番豊かだったとされるこの5年間だけなんです。八八艦隊建設という公共投資によるGDP増大などどこにも必要ありません。 だいいち、年間1億〜2億円程度の増税など、史実の日支事変での増税と裏付けのない国債発行を思えば、短期間で終わるなら大したことありません。 しかし、史実と違った重税と予算偏重を1922年〜1926年に行うという事は、この点で史実より状態の悪い日本経済は間違いなく成立します。軍艦をいっぱい作ったところで一時的な雇用と工業生産の増大があるだけで、拡大再生産には結びつきません。 また、日本全体の鉄鋼生産量と造船量は史実より大きな数字を示しますが、これも一般経済に還元されているわけではないので同様です。この間に新たに大規模製鉄所や大規模民間造船所などが建造されていれば例外というレベルでしょう。 そして、大規模公共投資としての側面を持つとされた艦隊建造もその期間中だけでの事で、それが終われば不景気に戻るのが当然で、結果としてのGDP増大に繋がるとは思えません。また、戦艦の建造は同じ金額分の巡洋艦や駆逐艦、潜水艦を建造するよりも多い特殊鋼を必要としますが(おおよそ三倍)、それ以外の機関などの部品はむしろ少ない金額の発注しかでませんし、多数のドッグでなく少数の大型ドックにのみお金が傾くので、むしろ経済的には逆効果なのではと考えられます。何しろ、大型ドッグの半分は海軍工廠にありますからね。 そして、艦隊建造予算に関する総括としては、「横山理論」は全く成立する余地がなく、日華事変を阻止するほど日本全体に経済的影響は存在しないと言うことです。 陸軍と海軍兵備をいじった事で、かえって墓穴掘ってますね。どちから片方だけか史実とさして変わらないとした方が問題は少なかったでしょう。 これが私が考え至った結論です。
でまあ、この「横山版八八艦隊」の疑問の一つに、この世界の艦艇達の事があります。 特に「紀伊級」と「伊吹(13号艦級)」が分かりやすいでしょうか。 この8隻の戦艦は、実質的には1926年以降に建造が開始されています。「伊吹(13号艦級)」に至っては恐らく1931年頃からの建造でしょう。 にもかかわらず、どうして史実でそうだったと言われる計画に拘泥する必要があったのでしょうか。ここまで歴史改竄している以上、エンターテイメントとしても大幅な改訂を行っても十分許容されると思いますし、それを可能とする史実のソースも多数存在します。 また、この世界の軍縮会議で「主砲口径は16インチに制限」されていますが、条約を破ってまで擬装戦艦を建造する必要があまり認められません。巨大戦艦の主砲を二種類作るなど、経費の面でも卒倒しそうな金額になります。 また、この世界でも、日本との戦争を正統化するためのプロパガンダに利用されていますね。 まあ、文句ばり言ってもしかたないので、どういう形が妥当なのかを少し考えてみましょう。
1926年と言えば、史実ではその翌年にイギリスの「ネルソン級」が就役していたと思います。 また、1931年には史実ではロンドン軍縮会議が開催され、その数年前(1929年)には「金剛級」の代艦を検討して3.5万トンクラスの新型戦艦が二人の艦艇造船の権威によりアウトラインが示され、その延長線上にあるのがパーフェクトにシェイプアップされた「大和級」戦艦です。 そしてこの世界では、実際に「土佐級」、「天城級」が就役しており、この建造、運用データが次の戦艦建造に活かされる筈です。 そして、この世界では建造数と主砲口径に制限を受けたが、排水量制限はフリーです。だからこそ、「伊吹級(13号艦級)」が誕生したのでしょうが、果たしてこれらの事例を考えると、史実で計画されたと言われる18インチ砲8門装備の超弩級巡洋戦艦になるのでしょうか。しかもこの頃軍艦の設計を主導するのは、平賀氏ではなく藤本氏になるでしょう。 つまり、おそらく違った形になるだろうと言うのが、私の結論です。
史実において、アメリカの「サウスダコタ級」の性能に恐怖した結果「伊吹級(13号艦級)」が計画されたと言いますが、もともと海軍は安価建造のため量産性を考慮して、「天城級」とその改良型を1ダース建造するつもりでした。抑止力としてならこれで十分でしょう。また、概念研究の一つとして41センチ砲3連装4基12門の案も検討されています。 そして、軍縮条約と列強海軍の情勢を踏まえて、残り8隻を新時代の技術を注ぎ込んで建造するなら、排水量5万トン、45口径41センチ砲3連装4基12門を基本とした高速戦艦を8隻建造する方向に流れるのではないでしょうか。これでアメリカ海軍にも、十分対抗可能になると思います。技術の進歩により爆沈の可能性が低い構造の主砲塔を作る必要も出てきますから、なおのこと完全な新規設計の必要もあるかと思います。 また、もともと46センチ砲自体が法外な性能を持った存在でありすぎ、既存の技術と近隣諸国で実用化されている技術を盛り込んだ戦艦として誕生するのが、ごくありきたりな、それだからこそ到達すべき結論でしょう。だいいち、全戦艦の主砲口径を統一している方が、艦隊全体としての運用効率も上がります。 なお、上記のスペックだと30ノット発揮が難しいし、「サウスダコタ級」への対抗防御を考えねばならないので、これらを踏まえ装甲と機関をレベルアップさせると排水量が5万3千から5万8千トン、舷側装甲は最大14インチ・15〜20度傾斜、甲板は6インチの重装甲、速力は「紀伊級」で28ノット、「伊吹(13号艦級)」で30ノットあたりになるでしょう。 そして、建造年が違っているのだから始めから塔型艦橋を持ち、また史実での徹底した軽量化の末が「大和級」だったのですから、史実の八八艦隊計画艦のシルエットよりも、「大和級」に近いシルエットになる筈です。 恐らくは、史実での「紀伊級」と「13号艦級」の中間ぐらいの船体規模を持ったスマートな「大和級」が一番近いイメージとなるでしょう。 これが、私がごく普通にたどり着いた、この世界の「紀伊級」と「伊吹級(13号艦級)」の姿です。
そして、日本海軍の艦艇に対する疑問は、実は戦艦よりもそれ以外の艦艇に溢れかえっています。 確か劇中うでは、「八八艦隊計画」の戦艦は、平賀博士とそのお弟子さんの作品と言う風に語られていたと思うのですが、だとしたら戦艦以外の空母、巡洋艦も自ずと違った姿になる筈です。 これは「大和級」戦艦にすら影響します。 また、航空母艦も、「赤城」「加賀」が戦艦となっているのに、「蒼龍」以降全く同じ形の空母というのも疑問でしょう。「蒼龍」の前後に別に大型空母を1隻建造しなければなりませんし、軍縮条約では対米英5割、つまり7.5万トンの空母保有枠があり既存の空母は軽空母2隻だけなのに、1.5万トン程度の中途半端な空母を建造する理由が少なくなります。 ただ、この辺りを叩き出したらキリがないので、次に進みましょう。 次は米英海軍です。 アメリカは史実の海軍の維持にすら汲々とした貧乏海軍でした。意外かもしれませんが、この時代のアメリカは海軍は異常なほど緊縮財政です。だからこそ、開戦時日本とさして変わらない海軍しか持ってませんでしたし、戦艦なんぞ半分も改装できませんでした。 にもかかわらず、この世界では史実より余分に13隻(11隻)も戦艦を保有する羽目に陥っています。丼勘定ですが、建造が終了しても史実より1億ドルぐらいアメリカも余分な出費を続けなくてはいけません。しかもアメリカは短期間で艦隊を作り上げるので、この後20年間維持費だけが無駄に消えていく事になります。 これは大問題です。 アメリカ全体の経済や財政はともかく、海軍は史実以上にビンボーさん間違いなしです。史実と同規模の予算なら、改装など思いもよりませんし、訓練にすら事欠きます。もちろん、史実の予算編成のままという事はないでしょうが、平時に軍備を重視しないお国柄を考えると、日本海軍よりも状況は悪いと考えられます。 史実においても、米海軍がビンボーさんを脱却するのは、第二期ルーズベルト時代に「ヴィンソン」、「スターク」プランを了承して以後の事です。 ですが、この世界では1941年いっぱいまでが軍縮条約の期限であり、それまで海軍増強はできない事になります。 そして、年間1億ドルもの国家予算が軍備に浪費されると言うことは、その分公共投資に充てる予算が減り、アメリカがニューディールで失敗しているのでは? というのが数字の上から見えてくる史実とは違う歴史ですが、まあこの点、ニューディールがもともと不確定要素も大きいので、見なかったことにしましょう。 そして、さらにダウト発生です。 さて、1926年に締結された「ローマ海軍軍縮条約」は15年間の新規戦艦建造禁止を条文化しましたが、果たして補助艦はどうだったのでしょうか。 史実では日本が1934年に条約放棄を宣言して、1937年より無条約時代に入りましたが、ここではそう言った事はなされていません。でないと、18インチ砲の事ぐらいで、アメリカの戦意が著しく昂揚したりしないでしょう。 そして条約締結後に、史実と似た建造が始まるんでしょうが、劇中に出てきた米空母にも謎が一杯です。 劇中では、史実と同じ「ヨークタウン級」が仲良く3隻登場していましが、彼女達以外に条約型空母を見かけません。ラングレー→レキシントン級→レンジャー→ヨークタウン級→ワスプ→エセックス級という流れがなければ、米空母群があの形になる筈ないのですが、その辺どうなんでしょうね、センセー。 また、史実の第二次ロンドン海軍軍縮条約は、1939年9月の段階で第二次世界大戦が勃発したため、条約内にあったエスカレーター条項が採択され、挙げ句に形骸化されてしまいます。 そして、この第二次ロンドン会議によって規定された条約に従い、米英の艦艇は建造されています。戦艦が3.5万トンや4.5万トンだったり、英空母が2.3万トンだったり、米英の巡洋艦が妙に型にはまった排水量なのは全てこの条約が原因しています。 ですがこの世界では1926年の条約以外存在せず、もし排水量制限があったとしても、史実の第一次ロンドン条約の規定となるでしょう。 だから、どれだけ好意的に解釈しても、戦艦の排水量は3.5万トン、空母は2.7万トン、主砲は16インチ、重巡は1万トン、軽巡は8500トン(以下略)という程度になる筈です。 何しろ条約は1941年内まで有効なのですから、次の交渉準備している間にナチが戦争初めて、もしロンドン会議の準備をしていたとしても何も決まっていない筈です。 また、1939年9月に第二次大戦が始まって、ここで実質的に軍縮条約はイギリスによって破棄され、以後なし崩しに消滅していくという形が自然であり、日本も条約から抜けると言うことを明言するのが自然です。史実でも行っている事ですからね。 だから条約内だからといって、強く18インチ砲戦艦を非難しても本来なら政治的効果はそれ程高く無いはずなんですよね。まあ日本は、外交ヘタ、プロパガンダ音痴だから別にどうでもいいですけど。
また、戦艦の建造には3年〜5年程度かかります。これは米英でもそんなもんです。にも関わらず、イギリスのウェールズ王子は1941年にはマレー沖にやってきています。しかも、「イラストリアス級」空母「4番艦」である筈の「インドミダヴル」を連れてます。 てことは、事前に軍縮条約破っているのはイギリスも同じであり、これについては、せっせと条約排水量を超える大型駆逐艦を建造しているっぽい艦隊編成の日本も同罪です。もはや一種類の戦艦について非難する事こそおかしな理屈です。 もちろん、ウェールズ王子建造の経緯については、何らかの逃げ道があるんでしょう。 ただ、ローマ条約で、米英は15年間戦艦建造しないよー、という項目があったように思うので、この王子様は実は1926年までに建造中だった事になってしまいます。 確か劇中では、「50口径14インチ砲を装備した新鋭戦艦」だっと思うのですが、私の見間違いでしょうか。それともローマ会議は日米海軍軍縮会議だったのでしょうか。ジョージ五世級が途中からライオン級に変更にもなったようにも思うのですが、これも幻ですか。 それに、どう見てもイギリスの海軍兵備の殆どは史実と同じに見えるのも、私の見間違いなんでしょうか。これらの多くは条約違反じゃないんでしょうか、キンメル提督。ああ、イギリスだから問題ないんですね。(エ〜
また、英国は「ホーンブロワー」とジョージ五世改造型の「ライオン級」以外、史実と違った戦艦は劇中に姿を見せていないのですが、「ホーンブロワー」も史実と全く同じ「ネルソン級」だと描写されているようですが、これもおかしな話です。 「ネルソン級」があの排水量、速力におさまったのは、イギリスが予算でなく軍縮規定の排水量を気にしたからで、本来なら最低でも27ノットぐらい出る高速戦艦として建造し、機関が大型化する分排水量も3000トンばかり大きなものとなっているでしょう。また、「I級」や「St.級」がどうなったのか全く説明がなかったのですが、一行ぐらい入れてくれてもよかったのではと思います。もしかして、横山センセーはイギリス戦艦キライなんでしょうか。 「ライオン級」も呆気なくやられてますし、イギリス海軍の状況に関してはおざなりっぽいから、この作品を書いた頃はイギリスなんてどうでもよかったんでしょうか。それとも編集サイドから英国は史実そのままでいってくれと言われたんでしょうか。どちらによせ、大艦巨砲主義者と自称する割には寂しい限りですね。
あと、米英の戦艦については、もう一つ謎があります。それは「アラバマ級(だったっけ)」です。史実の新しい方の「サウスダコタ級」に50口径16インチ砲を搭載したような戦艦なんですが、これは自らの主砲が生み出すパワーにこの小柄な船体が耐えられないと思うのは私だけでしょうか。また、45口径16インチ砲搭載戦艦としてパーフェクトと言って良いバランスを持つ同戦艦ですが、主砲を50口径にすると自ずと違ったバランスを持つ重戦艦になるんじゃないでしょうか。しかも、ノースカロライナ級を建造せずに、いきなりこれを建造できるもんなんでしょうか。私は、始めに読んだ時ですら、どうしても納得いきませんでした。 ああ、読者に分かりやすくするための史実を踏襲したうえで、都合のよいところだけ数字を入れ替えただけですか、そうですか。(エ〜