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1.METAL GEAR SOLID とは まずは、METAL GEAR SOLIDについて簡単に説明しておくことにする。 METAL GEAR SOLIDシリーズのゲームジャンル名として使われる「タクティカル・エスピオナージ・アクション」は、日本語で「戦略諜報アクション」や「スパイ・アクション」となる。 単なる殺戮ゲームと違って、敵を全員抹殺すればいいというわけではない。 アクションゲームやシューティングゲームが"動"のゲームなら、MGSは"静"のゲームといえるかもしれない。 状況を考えながら、必要最低限の戦闘でいかに敵に見つからないでゲームを進めるかということこそが「スパイ・アクション」の真髄といえよう。 体でぶつかれば何とかなるという世界ではなく、頭で考えながら戦うをいう世界観が他のゲームとは違う。 敵に見つからないでゲームを進めるという緊張感、敵に見つかったときの焦燥感、多数の敵との戦闘における孤独感やスリル感・・・・・・そうしたものがこのゲームのプレイ中には伝わってくる。 また、舞台背景が綿密に考えられており、実際に存在する建物なども登場するため、ゲームというよりは映画に近いかもしれない。 そういった点で、MGSとは"ゲームを超越したゲーム"なのである。 話は変わるが、よく友人に「"METAL GEAR SOLID" ってどんなゲーム?」と聞かれる。 "METAL GEAR SOLID"を一言で言い表すことは難しい。 (別にMETAL GEAR SOLIDが面白くないというわけではないが、)私にとって"楽しい"とか"面白い"という言葉で片付けられるほど単純なゲームではないような気がする。 先ほど述べたように、緊張感・焦燥感・孤独感・スリル感などをひっくるめて一言で言うことはできないし、"楽しい"や"面白い"という単発的な言葉はこのゲームには相応しくない。 もし、これから初めてMGSをプレイする方は、ただ単にテレビ画面を見ながらコントローラーを握っているだけでなく、そうしたMGS独特の世界観を楽しんで欲しい。 |
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2.METAL GEAR SOLIDが訴えるもの そもそも"Metal Gear"とは核搭載可能歩行戦車のことである。 核兵器は世界を破滅に追いやる武器であり、公式にはアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の5ヵ国が核兵器の保持を発表しているが、他の国も核兵器を保持している可能性がある。 1942年に物理学者エリンコ・フェミルが核分裂実験に成功し、1945年に広島と長崎に原爆が投下された。 核兵器の脅威は計り知れないもので、今も原爆の後遺症に悩む人が大勢いる。 主人公であるソリッド・スネークは、世界に広がりつつある"新"核兵器の脅威に警鐘を鳴らし、何度も"Metal Gear"の破壊を試みる。 MGSが取り上げる問題は、核兵器の問題だけではない。 MGSが取り上げるもう一つの問題、それは"遺伝子"に関する問題である。 2000年に日米欧の「国際ヒトゲノム計画」のチームがヒトゲノムの解読をほぼ終えた。 その結果、遺伝子の研究や医療を促進させる可能性が見え始めたが、同時に遺伝子操作によりエリート人間を作り出す動きもある。 また、遺伝子に関する言葉には、"優性遺伝"や"劣性遺伝"という語句があるが、決して"優れている"とか"劣っている"というわけではない。 逆に言えば、遺伝子に"優れている"や"劣っている"という概念は存在し得ない。 この二つの問題に関しては、後で詳しく取り上げることにする。 |
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