アニメ版海外見聞 その1


CHOBOKO
アニメ「リボンの騎士」海外版


日本のアニメが海を渡って海外でも放映されているということはわりと知られていることですが、「リボンの騎士」も何カ国かで放映されていたようです。
海外といっても地域は様々ですが「リボンの騎士」の作品世界というとやはり中世ヨーロッパ風ということもあり、比較的情報が多めだったイタリア・フランス・スペイン版についてちょっと調べてみました。(ちなみに他はアジア、中南米、オーストラリア等でも放送されていた様子)。ですが何分語学力に乏しいもので内容は極めて薄いです。語学力というよりはほぼ推理力を働かせて探ってまいりました。興味のある方はどうぞおつきあいを。


放送年代について


各国によってバラつきがありますが、1974年にフランスで放送されたのがどうも最初のようで(仏で放送された最初の日本製アニメだそうです)、イタリア、スペインはいずれも1980年頃放送されたようです。フランスではその後1989年に再び放送され、その時はタイトルや吹き替えの出演が変更になっていたらしいです。'70〜'80にかけて視聴されていたということで、視聴していた世代層としてはわりと日本に近い感じです。日本のように本放送後に再放送があったりしたのかなどの各国の放送事情がいまひとつわからないので、どの程度認知されているものなのかがはっきりしないのですが、イタリア、フランスについては近年DVD-BOXが発売されているので、一定の世代の方々にはそれなりに知名度はあるのかもしれません。



海外版のタイトル


日本のアニメはたくさん海外で放映されているようですが、その際タイトルがご当地用に変更されてしまうのはよくあることのようです。「リボンの騎士」もその例にもれず様々に変化しています。まず基本情報として「リボンの騎士」の公式な英語タイトルは「Princess Knigth」(お姫様の騎士)なのですが、これが欧州各国においては以下のようになっています。


イタリア版  : La principessa Zaffiro


フランス版  : 
Princesse Saphir 又は Prince Saphir


スペイン版 : La princesa caballero 又は Chopy(Chopi) y la princesa



…うーん、リボンのリの字もないです(笑)

イタリア版の“Zaffiro”、フランス版の“Saphir”は「サファイア」の各国語ですね。あえて発音するとザフィーロ(伊)、サフィール(仏)という感じでしょうか。タイトルを直訳すると「サファイア王女」(又は「サファイア王子」)…。日本語的にはなんともそっけないタイトルですが、それぞれの言語の語感とかがあるだろうしまあ仕方ないか(^^;)ちなみにフランスでは最初の放送時は“Prince Saphir”で, '89の放送で“Princesse Saphir”に変更となったようです。現在発売されているDVDも“Princesse Saphir”のタイトルでリリースされています。
スペイン版の“caballero”は騎士のこと、Princesaは王女のことなのでく英語版と同タイプの「お姫様の騎士」というタイトルになります。また別タイプの“Chopy y la princesa” というタイトルですが、“Chopy”とはチンクのことです。海外版ではチンクはだいたいこのタイプの名前(英語だとChoppy。各国で微妙にスペルに違いがあります。)に変更されています。「チョッピーとお姫様」というタイトルになりますね。おそらくはChopy y la princessa がTV放送時の初期バージョンで、現在は“La princessa caballero”に統一されている様子です。



海外版のキャラクター名
タイトルと同じく登場人物達の名前も微妙にご当地風に変化しておりまして、確認できる範囲でご紹介いたします。
※スペイン版はさほど詳しいことがわかりませんでしたので主にイタリア版、フランス版についてになります。


サファイア
→Zaffiro(=ザフィーロ)(イタリア
Saphir(=サフィール)(フランス
前述の通りで基本“サファイア”をそのままご当地風にしているだけなので少々趣きが違いますが、あまり違和感はないですね。


チンク
→Cioppi(=チョッピー)(イタリア)
Pan(=パン)(フランスChopy(Chopi)(=チョッピー)(スペイン)
こちらも前述の通り、ほぼ“チョッピー”に変化しております。フランス版の“Pan”は、もしかするとギリシア神話の牧神“パン”からとられてるのではないかと推測してみました。パンは半身半獣の姿をした牧畜の神ですが、笛を吹い羊飼いをしていることから、チンクがラッパを吹いてる姿を重ねてイメージされているのではないかと…まああくまで想像なのですが…。


オパール
→Opale(=オパール)(イタリア)Opale(=オパール)(フランス
さすがにこれは万国共通?


ヘケート
→Zelda(=ゼルダ)(イタリア)、Zaza(=ザザ)(フランス

ヘケートはそのまま使えそうに思っていましたが、スペインではHeckettとなってますのでサファイア同様発音がスペイン風なだけのようですが、その他ではなんだか全然変ってしまってますね。でもZazaってすごくフランスっぽいお名前だと思います。


メフィスト
→Satana(=サターナ)(イタリア)、 Belzebos(フランス

フランス版が読めない(^^;)ベルゼボかしら?適当に音読してしまいました。イタリア版はわかりやすいなあ。


同じく正確な発音がわからないので、字面だけのご紹介になりますが、
ジュラルミン大公
→Granduca Geralamon(イタリア)、Grande Due Duraldine(フランス

たぶんそれぞれ“ジュラルミン”を各国風にしてるのだとは思おもわれます。蛇足ですが、Granduca や Grande Dueの部分は名前じゃなくて階級名。“大公”にあたる部分です。


ナイロン卿
→Barone Neelon(=バローネ・ニーロン)(イタリア)、Lord Macedoine(ロード・マケドニ)(フランス

発音はこんなところかと。でもフランスはいちいち独自色が強いなあ…。



ガラッと変ってしまっているキャラクター名もありますが、チンクやヘケートは雰囲気的にまだわからなくないです。
ところでフランツ王子ですが、彼は一番変化がなさそうだなと思っていました。で、やはり


フランツ王子
→Prince Franco(=プリンス・フランコ)(イタリア
と、やっぱりフランツは一般的な男性名だしほぼ変化は見られないよね〜と、思いきや…


フランス版Thibault

…って誰ですか?しかも読めないし(^^;)思わずなんて読むのか調べちゃったじゃないですか!ちなみに「ティボー」らしいです。これはまったくなんでこう変化してるのか想像すらつきません。




最後に少し番外編、同じ欧州のドイツ版についてです。なんとなく一番はまりそうだなと思って一応調べてみたものの、ドイツ語版は存在はするようなのですが、結局は詳細が分からずタイトルとキャラ名だけを探っていたところ…


ドイツ版タイトル:Choppy und die Prinzessin (チョッピーとお姫様)
とまあ欧州他国と大差はない感じだなと思ってたのですが…なんと、


サファイア
→Alex(=アレックス)(ドイツ



ア、アレックス〜???(゚ロ゚;)?? ど、どうして??これが一番の衝撃でございました☆





次は主題歌についてほんの少しだけご紹介を。というわけで少しばかり次頁に続きます。