■太陽帝国「楽屋裏」 その20 二度目の偽りから第三次世界大戦へ
第二次世界大戦は、二度目の世界大戦という事で本来歴史的流れからして殲滅戦争にならねばならないはずが、違った結末を迎えました。イデオロギー国家が本気にならなかったため、中途半端なまま終わってしまったのです。やはり独裁者と強固な全体主義(ファシズム)なくして、史実と似た状況再現は不可能だったようです。 しかし、いや、だからこそ戦乱の火種は消えたわけではありません。状況はむしろ戦前より悪化し、第一次世界大戦前より悪い政治的状況とすら言えます。 欧州では敗北したフランスが外的要因によって政治的に二つに分裂し、ソ連は火事場泥棒のような強硬外交の結果、北欧、東欧や極東での冒険で大失敗を犯して自滅。より一層精神的に追いつめられます。 また中華地域では、他の地域の戦争などまるで関係ないように伝統とばかりに泥沼の内戦が続きます。 そして、北米大陸の中心アメリカ連合では、国内での民族差別と民族対立から内乱寸前へと発展。アメリカは、アメリカという名の人工国家を維持するため、自ら積極的に外敵を求めるまでに追いつめられてしまいます。 いっぽう日本帝国は、二度目の戦争によって自らの体制の未熟に行き当たり、それまで少しずつ進んでいた抜本的な国内改革が始まり、真の世界帝国としての胎動が始まります。 さて、以上のような状況から第三次世界大戦へと雪崩れ込むわけですが、今少し細かく見ていきましょう。
1943年から1950年にかけての重要なキーワードは、「混乱するノースアメリカ」、「分裂するチャイナ」、「膨脹せざるを得ないCCCP(ソビエト連邦)」です。 さて、「混乱するノースアメリカ」の中心は、言うまでもありませんが北米中原を征するミッドランド(中つ国)のアメリカ連合です。中つ国が膨脹し混乱を呼び込むのは、地政学上、世界史上の必然と言えるでしょう。 アメリカ合衆国時代の国家分裂を経た二度の「内戦」により北米大陸の中心部を征した筈ですが、国家の内実は依然として緩やかな連合国家に過ぎません。多くは、東部海岸の白人を中心とした国の中に、力を持った有色人種が地域ごと大きな勢力として居座っているからです。 つまりは、史実と違って無害なまでに殲滅し損なった先住民族、いち早く対岸に勢力圏を築き上げた有色人種のおかげで国家と国民に団結がなく、「USA No.1」と暢気に言ってられなくなったのです。加えてアフリカ系住民も、南北分裂の影響で市民権を得る速度が史実より大きく前倒しとなっています。アメリカ人の理想たる「大草原の小さな家」も、遙か事象の彼方です。 かくして、白人、黄人(日系)、褐人(ネイティブ)、黒人(アフリカ系)それぞれがそれぞれの事情を抱えながらこの人工国家で過ごしており、しかも貧富の差は肌の色、元の人種、民族によって絶望的な差が開いています。 しかも長い国境を接した先には、大英帝国の橋頭堡にして重要地域であるカナダ、先住民族最後の牙城にしてアメリカの原罪でもある諸部族連合、中米の不気味な中立国アズトランがアメリカを包囲しています。しかもその外を、カリブ、北大西洋ではイギリスが、北太平洋では日本帝国が囲っています。 かくして、二つの巨大な海洋を挟んだ超巨大海洋国家である筈のアメリカは、ロシアやドイツのような国家的性格を強くした内陸国家とならざるを得なくなっています。極論、アメリカを海洋国家にさせないための仕掛けが、北米大陸各地に存在する国々という事になるでしょう。地政学的には、強大化した日本列島など北米情勢にとっての付け足しに過ぎません。 また、この世界のアメリカは持たざる国です。国内資源と国内市場は巨大すぎるほどなのですが、逆に国家の図体が大きすぎて収まり切りません。かといって今まで書いてきた通り、簡単には外に膨脹できません。つまりは、持たざる国です。あえて例を挙げるなら、史実アメリカ合衆国の3分の2の国力を持った、私達の世界の大日本帝国に近いでしょう。 故に、仮想敵と外への膨脹のために、国庫、国力に不必要なまでに負担をかけて強大な陸軍と海軍を作り上げ、近隣を何とか押さえ付けた上で海洋国家である日本、イギリスに挑みかかる行動を取るわけです。 そして国内の不満のはけ口を求め、なおかつ包囲状態を打破して、海洋国家にならんと一度は自ら日本帝国に戦争を吹っかけてみたが、ディフェンディング・チャンピオンの前にあえなく惨敗しました。これが日本との短期的な太平洋戦争です。 そして外地でのみの一方的な敗戦で大統領は辞任を余儀なくされ、民心は中途半端に乱れて人種差別による混乱の坩堝へとたたき落とされます。 しかも「敵」であった日本の走狗とすら言える日系(ニッポニーズ)が国内の4分の1を占め、西部諸州を牛耳るなど自らの生き残りのため勝手な事ばかりしています。 しかも、アメリカ連合の国是である「連合の緩やかな団結」、「自由貿易主義」が国内での日系の独自性、跳梁と活動を許容しており、国を支配している筈の白人は血圧を上げるばかりす。そして虐げられている他の有色人種は、自らの生存の為に日系の肩を持ちます。しかも、日僑が連携した日本経済の力がなければ、まともな海外市場と友好国を持たないアメリカ経済を持たせる事ができないというジレンマを抱えています。いかに国内資源が豊富でも、北米の大地は全てをまかないきる物は与えてくれません。アメリカは、自国の発展のためイヤでも日系と生きていくしか手がないのです。 しかしアメリカのマイナスの意志は、マッカーサーという事大主義者の代弁者を生み出します(この場合、代弁者は誰でも良い)。大陸国家的な逼塞感、国内での民族対立が、戦敗と不景気によって負の方向に傾いた結果です。 そして白人至上主義、アメリカ至上主義による一種の国家主義、民族主義に傾き、挙国一致内閣による軍拡の後に、20世紀のプロメテウスだった筈が、自らパンドラの箱を開けありとあらゆる災厄を振りまく事になります。この場合の災厄は、大戦争のトリガーを引く事です。 つまりは、一時的に白人中心の全体主義、人種差別が強化されたアメリカは、擬似的なファシズム国家として世界に混乱を振りまくのです。形としては、ナチスドイツにかなり近似値を求められるでしょう。
次に「分裂する中国」ですが、原因の多くはこの地域に住む人々自身に帰します。ですが、次の原因となるのは、隣国の日本帝国です。 海洋国家、覇権国家から見て、近隣の統制され力を持った大陸国は邪魔以外のなにものでもありません。互いに内輪もめさせ、自らの政治的コントロール下に置くのが最上です(逆もまた然りです)。 しかも日本は、自らの我が儘で1930年代までに中華地域の外郭地の殆どを、中華中央から切り離すことに成功しています。ソ連やイギリスも仲良く蚕食しています。満州国、雲南王国、モンゴル、東トルキスタン、チベットの離反がその結果です。つまり、大陸勢力に対する外堀は埋め終わっています。 後は、中華中心部に大きな対立状態を作り、少なくとも向こう百年はいがみ合ってくれるだけの勢力を作り上げ、その一つを自らの強い影響下に置けば、日本にとっての最も都合の良い政治的状況は完成します。 そして日本は、第二次世界大戦による一時的な停滞はありましたが、その後は万難を排して自らの目的に邁進します。何しろ中華地域は自ら長きにわたる内乱状態に入っており、しかも他の列強を自ら引き入れ、列強はそれぞれの勢力を後押しして混乱を広げています。 まさに自業自得ですが、後は日本人達がうまく立ち回れば、簡単に望んだ状況がやってくるのです。持てる国である日本にとって、手を抜く必要性は皆無と言えるでしょう。 そして丁度良い敵役として、「世界の敵」である共産党勢力が中華地域内で徐々に勢力を拡大しつつあります。勢力拡大と言っても、史実のように日本軍が訳の分からないうちに深く攻め込んで蒋介石を奥地に追いやったりしないので、共産党が農村で勢力拡大を行えども、ゲリラ戦をして名を挙げるという事はできません。もちろん共産党の勢力拡大は皆無ではありませんが、出来ることは限られ、中華世界の第一人者を気取る蒋介石との出口のない内乱を続けることになります。 そして共産主義第一の敵となる中華民国のスポンサーは、日本にとっての仮想的第一位であるアメリカ連合です。自分たちは、戦争に嫌気のさした中華地域内の者をまとめ上げて、戦乱の少ない華南地域で地盤固めをします。華南が選ばれるのは、古くからの橋頭堡である雲南王国が隣接し、さらに新たに独立させるインドシナ地域があるからです。つまりは緩衝地帯(ヴァッファー・ゾーン)です。また、自らの重要な戦略地域である満州から離れているというのも重要です。 そして日本としては、満州という北の緩衝地帯を抑えているので、後は東シナ海、南シナ海が安定する程度の勢力圏があれば事足ります。故に、新たな日系勢力として華南地域を切り離しました。しかも、南北から中華中央を包囲する位置にあり、ほとんど全ての面で、日本にとって都合の良い場所です。 加えて、日本人が新たに領土として組み込まなくても良いというのは最高の条件の一つでしょう。人が多いだけの土地など、海洋国家にとって贅肉になるだけです。 加えて日本帝国は、十分な領土と人口を既に持っています。これ以上どちらも増えられ贅肉になるだけ、たらたまったものじゃありません。 というわけで、適当に共産党勢力をつつき回しつつ、世界中の列強と顔を突き合わせて中華地域をそれぞれの勢力圏に収めるという形で分裂させてしまいます。 中華地域の末路としては、オスマン・トルコ帝国の末路に近いでしょう。しかも、ケマル・パジャのいないトルコに。
さて、最後は「膨脹せざるを得ないソ連」ですが、原因は言うまでもなくトロッキーです。 トロッキーはスターリンの天敵ですが、この世界ではロシア革命、欧州情勢そのものの変化、第二次世界大戦でのスターリンの失脚、ロシア勢力の大幅減退など様々な影響があったので、生き残るばかりか復権してもらいました。 レーニン、スターリンを除くと、彼ぐらい強い個性がないと、ソ連という人工国家を牽引することは難しいでしょう。 ただトロッキーには困った政策が金科玉条としてあります。 そう、共産主義革命は世界中に広まらねばならないのです。 しかも第二次世界大戦では、スターリンの火事場泥棒は大失敗して、日本の片手間戦争で敗北を余儀なくされて国威が落ちています。 そして、ソ連の歴史は史実以下です。 革命時の混乱が長く続き、反ソ連勢力は国外に溢れかえっています。貴族も聖職者も資産家(ブルジョワ)もロシア帝国の復権を願う多くの者が、この時点での日本領北海道(シベリア)や欧州各地に存在し、列強も後押ししています。敗残者を後押ししたくなるぐらい、共産主義は世界にとって邪魔なのです。 そしてトロッキーの政策と共にソ連にとって重要なのが、ソ連国内に国土開発のためにも必要な余剰資産が少ないことです。 極東で火事場泥棒を考えたのだって、本来は自分たちのものである筈のものを取り返すためです。 確かに、五カ年計画という経済原則や人間の多くを無視した政治的行動のおかげで、重工業生産は飛躍的に向上しましたが、やっぱりお金がなければ国家は何もできません。しかも戦争で負けた上に、辺境とは言えまたも領土まで分捕られてしまいました。 もともと広大な領土はともかく、軍隊が派手に負ければ国富の面でも大損失です。要するにソ連にとっての火事場泥棒は、火事場泥棒した筈が火事で焼かれて大やけど、と言ったお粗末な結末を迎えました。 そして、面子、お金、為政者のドグマ、国家のテーゼによって、ソ連は自らの都合による最低限の準備期間を経た後に、国家の存亡を賭けた戦争に傾きます。状況としては、実のところ日支事変の泥沼にはまり込んだ日本の国家経済と政治状況に似ています。自国を何とかするために、戦争をするしかないのです。でないと滅びてしまう可能性すらあります。 そして戦争の超巨大な火種となってくれそうなのが、アメリカ連合という事になります。ソ連はアメリカの様子を見ながら戦争に加わり、必要なものを分捕ればいいのです。 史実の第二次大戦での位置関係を当てはめれば、アメリカがナチスドイツでありソ連が大日本帝国なのです。そしてイタリアに位置するのが、アメリカの政治的道具に成り下がった、分裂した片方のフランスという事になります。 もちろんチャイナはどこまで行ってもチャイナです。世界などそっちのけで勝手に盛り上がってもらいます。 さて、これでオチが少しばかりは見えたでしょうか。
なお、極々々一部の方は、「彼の国」についての言及がないじゃないかとお嘆きの事でしょう。そおkで最低限書いておきます。正直、完全に忘れていました(笑) 日本が明治革命に至るまでに、東北アジアは清以外のほとんど全てが日本人の領域となります。清と日本のどちらに顔を向けるべきか、内心はさぞ大変だった事でしょう。また朝鮮半島のほぼ全域が、日露戦争以後日本と日本の友好国で囲まれてしまいます。しかも朝鮮自らの国土が戦場になることはなく、パックスニッポニア的アジア世界のぬるま湯の中で日本追従が金科玉条となります。後は、日本帝国型発展の後を追いかけるようになり、色々日本からせがんで相応の発展を示し、日本帝国にとっても近隣のそれなりの同盟国としての役割を果たしていくだけとなります。 まあ、第三次大戦では相応に頑張っている事でしょう。
さて、この世界での次なる世界大戦で「正義の味方」となる枢軸連合ですが、はっきり申し上げて凶悪です。 いまだ世界帝国を維持している大英帝国(何しろ、無制限通商破壊戦も1000機単位の戦略爆撃の応酬を経験していないから、第二次世界大戦での戦費は計数的に少なく、あまり国富、国力は削れていません)。いまだカイザーを戴き、結果的に欧州大陸第一の国家となったドイツ第2帝国。そして、アジア・太平洋の過半を自らの勢力下とし、数百年かけて国富と国力をため込んだ日本帝国です。 単純な総合国力差は、日英独枢軸:米ソ連合=3:2程度です。基礎的な技術開発力、文化レベル、国民の教育程度、資源、海上交通などを加えた総合的な体力差は7:3に広がります。戦争した場合、枢軸が3割の国家損害を甘受すれば勝利できます。 しかも海洋の9割以上が主に日英の影響下にあり、海外市場のほとんど全てが枢軸側のものです。 そして疑似ファシズムと共産主義の呉越同舟イデオロギー陣営と、立憲君主国家連合による二大対立時代へと急激に突入し、持たざる国のかみ合わない二人三脚によって世界大戦の撃鉄が起こされます。 これを受けて立つのが、三帝同盟こと日英独枢軸、インペリアル・アクシズとなります。
さて、第三次世界大戦を起こす側の屁理屈は一通り並べ終わったかと思うので、米ソの挑戦を受け手立つ我らが日本帝国について最低限だけ見ておきましょう。 この世界の日本帝国は、とにかく強大になってしまいました。 アイヌという異分子を入れただけとは、もはや説明が付かなくなっています。全ては、巨大戦艦群を作るための結果。目的達成のための方便です。10万トンクラスの巨大戦艦を複数作るのが、いかに大変かを思い知りました(笑) 生産力、国力は世界の4分の1以上。人口は2億人近く。領土は日本列島の20倍以上。しかも、史実朝鮮戦争後のアメリカぐらい、長きに渡り軍備にお金を使い続ける贅沢さです。何しろ同盟国と仮想敵の双方を山のように抱えているので、軍備を手抜きにするわけにはいきません。恐らく軍需産業は、国家産業ともなっているでしょう。 これは、史実のアメリカが20世紀初頭から軍備に力を入れた場合の姿と表現してよいでしょうか。それぐらい大国です。 もっとも、オフィシャルの多くを割いて説明した日本帝国の再編成は、国家の行いを個人レベルに落として見れば、10年に一度の大掃除ぐらいの事に過ぎません。 大仰なことを色々と書きましたが、家が広くなったので家具を再配置して、収入が増えたので壁を高くして番犬を増やし、友人が増えたのでパーティーと出歩く機会が増えた、という程度のものです。 大変革自体、日本が何百年かに一度行っている事に過ぎず、それがたまたま明治革命から80年ほどで到来したに過ぎません。 ただ今回の大変革は、家を建て直すのではなく家の大幅リフォームであり、ビフォ・アフターしただけです。 そしてこれ以後の日本は、自らが相応の大国であり続ける限り、似たような政治的行動を一定のペースで行っていくようになります。次の周期では、21世紀前半に巨大なアジア国家連合を形成する動きを見せるでしょう。 要は、20年に一度伊勢神宮を建て直すようなもんです。ハイ。 国家は人が作る以上、記憶のあるうちに作り直すぐらいが丁度よいと思います。それこそが真の「永遠」というものでしょう。 国家といえど、輪廻としての永遠が人の世では最も正しいと思います。
そして日本がセッセと自分たちの家を丈夫に造り直している間に世界が揺れ動きます。 欧州での英独を中心とする混乱と再団結、二つのフランスの混乱、そしてアメリカ連合の混乱と内紛。アメリカを中心にした、日本を巻き込んだ戦争への道のりということになります。 もっとも、殆ど全ての事はオフィシャルで書いている以上のものではなく、ここで書くべき事はほとんどありません。書いたとしても、今まで以上に蛇足になる事ばかりです。 全ては今まで組み上げてきた状況が行き着いた先であり、私が望んだ大艦隊を浮かべるための大戦争へのレールを明確にする作業に過ぎないからです。 そして、第四部の終幕辺りの段階で政治的に第三次世界大戦は始まっていると言えますし、賢明な皆様なら=(イコール)の向こうに何が待っているかもお察しいただけるでしょう。 文字通り、容赦のない、一心不乱の大戦争が待っているだけです。核兵器だって平然と使用されます。
ただ、最後に一つだけ言いたいことがあります。 表題が「太陽帝国」たる理由です。 「太陽帝国」とは「日の本」を飾り文字一杯イメージしてもじった言葉です。つまりは世界の覇権を握る日本人の帝国というわけですね。また、「大英帝国」に対するパロディです。「大英」の場所に、直接的な「大日本」の文字ではなく、日本の国旗である「太陽」を入れものなのです。 しかし、「太陽帝国」には、私の中でもう一つの意味を持たせました。 「太陽」はいつまでも天頂に輝いているワケではありません。東から昇って西の地平線に沈み、そしてまた昇ってきます。だからこそ、わざわざ作った豊臣幕府は歴史のオマージュに沿って潰しました。アイヌでも何度かリファインのレベルですが政権、政体の変更を行わせました。俗世を支配し続ける政府、主権政府としての千年王国など日本には不要だからです。 そして日本帝国の再編成と第三次世界大戦こそが、この世界の日本が体験した何度目かの天頂に至った太陽であり、それはいずれ斜陽を迎え、次なる太陽が昇る準備という行動を繰り返していきます。 そして「太陽」がない間は暗闇に閉ざされるのが常ですが、この世界の日本人世界にはアイヌという「月」が存在し、日本人にとっての常世が闇に覆われることはありません。また、「太陽」と「月」が入れ替わることもあり、かくして世界は都合良く照らし続けられる事になります。 そうした連続性、融通性に溢れた連合国家こそがこの世界の日本帝国であり、「太陽帝国」とした理由になります。
了