高野真遜編 忠愛社 1886 所収
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本文には、適宜読点を入れています。
| 大塩平八郎大坂ニ於テ暴動ノ始末 離為火 |
離為火*1 上支
右目上心行の儀、只今ハ内心大分和らきかけて相見候、然なから油断ハ難成候間、随分其目上之学状に随ひ、少しも違背無之様御心得可被成候、扨右念合之儀は、いつれ彼是二人も有之候間も其御心得ニ而、随分ひそかに大事の然ばくるしからす、誠に大事の所ニ而、此度会合さへしれされは、おい\/平談に及かけ有之候事故、随分御用心専一に奉存候、以上、
見料百銅受取申候、
三月十八日
占考書 榊堂
御秘覧可被下候、
兌為沢*2 五爻変
此卦ハ、事の成就火之卦にして、よろこひをなすの卦也、然しなから、物事かたくまもり、寝食の間も油断なく控へ慎む事肝要菜也、夫も余り弱若にして、よわき壱方ハ、又々悪しく甚工合之有之義に御座候、
一 只今仲人、又は本人等に御出会熟談之義ハ、是もまつはひかへねはならぬと申所なれとも、しいて陰会とげたくハ、陰明と申て我心によく叶し友あるか、又は是より出来るか、其人々よく\/親美まつ内談の上計らへハ吉、又親き人をゑらむ事、又大切也、よく\/御かん考可有之、実ハ何事もひかへねはならぬ所に御座候、若事をはかろうにハ、廿日過にて尤夜中深更かよろし、しかけとも此儀ハとうもよきとは決して難申訳に御座候間、其御心得にてよく\/御取計可被遊候、以上、
弥生一日 榊堂
考
「大塩の乱関係史料集」目次