筆者蔵の資料に『難波湊秋花噂』なる書物がある。全十巻のはずだが、残念ながら巻一・巻二・巻四・巻十の四冊しかない。『国書総目録』『日本古典籍総合目録』にも見られないので、新資料と言ってよかろうと思う。題名は「なにわみなとしゅうかのうわさ」と読むのであろうか。内容は、大塩平八郎の生い立ちから乱に至るまでの記述である。ただし、「大塩平八郎」とはせず、「大篠桂八郎」としている。巻一・巻四・巻十の末尾には、「作者曰」「作者いはく」として、作者の感想を付け加えているのも特徴である。
以下、『難波湊秋花噂』巻一・巻二・巻四・巻十を翻刻し、巻一の影印を掲げる。翻刻にあたり、常用漢字・人名用漢字については新字体とした。濁点は原文のまま。句読点はない。
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