Я[大塩の乱 資料館]Я

1999.12.26

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大塩の乱基本文献


『民衆史料が語る大塩事件』

中瀬寿一・村上義光著

晃洋書房 1990


                目           次

まえがき

序 章 国際的に見直される大塩事件−ピータールー事件との対比とその世界史的意義

第一章 大塩事件勃発の社会経済的・思想的背景
 一 大塩の「檄文」にあらわれた幕政批判
        ―賄賂政治=〃官・財癒着〃批判の思想―
   1 幕藩諸権力およぴ特権的門閥大町人批判
     2 尊皇と〃世直し〃・救民(=「民を吊ひ君を誅す」)の思想
 二 将軍家斉〃五十年間の失政〃の具体的様相
   1 特権的門問大町人の生活と〃官・財癒着〃・町政支配の実態
   2 幕藩制下の賄賂政治の実態
      ―家斉〃五十年間の失政に対する弾劾〃ヘの動き―
 三 大塩の政治・経済・社会改革の思想と事件勃発の内的必然性
   1 幕政の問題点着眼と改革思想の形成
   2 『平戸藩士聞書』にみる事件勃発の必然性
   3 治水対策・飢饉対策と大塩の思想的特色
        ―渡辺崋山との共通性およぴ現代に通ずるヒューマニズム―

第二章 ドキュメント・天保八年二月十九日
     ―大坂およびその近郊への事件の伝播と〃大塩ブーム〃の胎動―
 はじめに
    ―情報の速やかな全国各地伝播と幕政椰喩・批判思想の胎動、民衆文化創造への潮流―
 一 大坂町人および近郊の民衆が見聞した事件の諷刺にみちた文学的ルポ
   1 直後=跡部山城守、堀伊賀守「大うろたへにうろたへ廻り」
   2 中村仲蔵ら、中の芝居で興行中
   3 泉屋住友の人夫、鉛八千斤を大坂城ヘ
   4 三井、ただちに京本店に報告、二十日江戸・松坂に伝達、大坂店の再建ヘ
   5 「鴻池本宅黒烙大盛ニ立登、其恐懼シキ事」
   6 河内鴻池深野新田農民ら、十九日大坂船場へはせ参ず
   7 合流した鴻池の手代、九州五島ヘ〃亡命〃、 一方、大塩側の旗を奪い、立身出世した男
   8 被害を生々しくえがいた間確斉の天体観測日記
   9 「跡部山城守俵米差登シ候ゆヘ……うけ悪く」
   10 「大廈高楼の焼落るおと、あめつちに響きて轟き、七珍万宝灰塵」
 二 大坂近郊の民衆から見た〃大塩焼け〃
   1 摂津平野郷町役人ら人足つれ、大坂古河藩邸ヘ
   2 池田城山から「十九日五ツ比より大坂大火事……入込事ハ相成かたく」
   3 生駒山麓農民、大坂出火発見、二十三日「やけ場見物」
 三 幕府側が体験した、町奉行らの狼狽ぶりと〃救民〃ヘの共感
   1 大坂町人「強飯煮〆等」サービス、大塩軍内平野町ヘ
   2 大塩軍の規律と貸付証文の焼却
   3 堀伊賀守・跡部山城守らの落馬と大塩側の緒戦の勝利
   4 江戸城内でも、大塩の〃救民〃の正当性を認める声

第三章 天保八年二月十九〜二十三日
     ―畿内および回国への伝播と〃大塩プーム〃の波及―
 一 京・大津辺東海道筋への迅速な伝播と〃大塩ブーム〃のひろがり
   1 石清水八幡官から猛火見え、洛中洛外混乱へ
   2 十九日夕、寺田村に伝わり、十七歳の堀鉄蔵、膨大な民衆史記録残す
    3 京都の老儒=猪飼敬所、二十日=事件の情報キャッチ
   4 「廿日昼頃……京地ニハ広取沙汰」「跡部……平八郎ニ被打候とも」
   5 「京・大津辺下々に而は大塩様ケ様ニ迄世のためを思召」
   6 二十三日=伊勢松坂へ「大坂出火書状」到着
      ―「数万野宿致し……芸子・おやま皆々畑中夜を明し」―
   7 二十三日=平山助次郎、遠州今切渡海中
   8 二十四日=膳所でも出動命令〃天草以来の大事也〃
   9 下句=はげしい〃大塩狩り〃の一方、〃大塩ブーム〃深くひろがる
 二 十九日=大坂出火、奈良からも生駒をこえ遠望
   1 南都から「八ツ時頃、日の光り朱の如に相見ヘ、皆々屋祢ニ上り」
   2 大和高田の住職、「今時未曹有ノ騒」と
   3 二十二日=高野山へ大坂騒動一件知れ渡る
   4 二十八日=南都番所、十津川郷ヘ「御由緒有之村柄」ゆえ、〃大塩狩り〃の徹底を指令
 三 二十日=紀州ヘミニ・コミで急速に伝播
   1 二十日の記録「大坂大火乱ぼうの由……大塩平八ノあれ」
    2 二十五日=田辺で人相書、三月一日=田所家文書で部落住民の参加指摘
 四 二十日=海をこえ、淡路島へ伝播
   1 洲本より「五郎左衛門夜に入り帰ル、大坂変有」
   2 「二十日正午=速飛脚で伝えられ、佐野助作ら大坂ヘ
   3 「跡部殿御裁判其道ニ不当ケル哉、只大塩ヲ悪ミ玉フ……即動乱ノ始」
 五 二十一〜二十三日頃=海をこえた、四国における〃大塩ブーム〃
   1 二十三日=「彼大将大塩平八郎……当国……真鍋市郎ト申仁家産也ト也」
   2 三月十一日=「大坂始外国迄も、大塩之評判宣敷」
 六 二十二日=土佐藩足軽隊にも上坂命令
 七 多度津・丸亀両藩への影響と林良斉(家老)の抵抗

第四章 天保八年二月下旬〜三月
     ―江戸への飛び火と幕藩政改革思想の全国的燃焼―
 一 江戸に〃大坂落城〃〃跡部山城守首微塵〃説飛び火
   1 二十三日=情報江戸到着説
   2 二十四日=矢部駿河守、跡部よりの内報受領
   3 二十四日=川路聖謨、「大塩謀反」を内聞、
     二十六日=「早大坂は落城」・跡部「首徴塵」説波及
   4 二十四日=「跡部夜中書状」、二十六日=「大坂城代注進」到着
   5 二十八日=江戸で広瀬旭荘、「大坂人既殺奉行」と
   6 南部藩の横川良助、『見聞随筆』で、二十九日に「御城も既ニ危キ事」と
 二 二十四日=加賀へ情報伝播、秋ごろ『浪花舟塩之満干』大入り
 三 〃大塩狩り〃旋風、山陰道を経て隠岐鳥ヘ
   1 二十六日=松江藩より隠岐鳥へ触書
   2 三月一日=〃大塩狩り〃丹波篠山へ
   3 三月一日=山陰の浜田藩でも〃大塩狩り〃
 四 〃大塩ブーム〃瀬戸内海沿岸を疾走
   1 二十九日=「密局日乗」に、「王陽明之学を唱ふ……頗る豪傑之人なり」と
 五 九州における大塩事件情報
   1 二十八日=平戸にはやくも大塩情報
   2 久留米藩の庄屋に伝わる「救民之謀士難波珍事」
   3 三月六日=「諌早日記」に人相書
   4 幕政諷刺の民衆文化の高揚
      ―小塩貞八と阿曽部山城―
 六 関東各地における〃大塩ブーム〃
   1 二十七日=古河の永嶋屋へ書状到着
   2 「藤岡屋日記」にえがかれた二月末〜三月の江戸の状況
   3 三月四日=町田の「年中日記帳」に「跡部殺害致候風聞」
   4 山田三川、各地の〃大塩プーム〃を記録、幕政批判展開
   5 三月十六日=蘭学者小関三英、庄内の兄へ手紙
   6 三月二十九日付で人相書・触書、酒田ヘ
 七 中仙道・東海道における〃大塩プーム〃と〃大塩狩り〃
   1 三月上旬=信州飯田における〃大塩ブーム〃
   2 三月十一日頃=田原で人相書、のち渡辺崋山への〃大塩狩り〃
   3 三月中旬=駿河辺にも〃平八郎出没〃
 八 三月二十七日=水戸斉昭、「明日不時に登城」し、幕政改革を企図

第五章 世直し闘争の全国的拡大
 はじめに
 一 二月下句、大塩事件直後の不穏な動向
 二 大塩事件の急速な各地連動
   1 東海道筋に飛ぴ火、三月一日、駿河で打ちこわし
   2 三月四〜五日、紀州・阿波・伊予などで打ちこわし、農民一揆の波
   3 三月六〜七日、再ぴ大坂西辺阿波座・川口その他で〃大そうどう〃
   4 三月上旬、上州一揆・甫部一揆勃発、中旬、江戸でも張札、焼打ちを予告
   5 三月十〜十八日、大和・兵庫・河内、京都でも、大塩的一揆と打ちこわし
   6 三月十〜十四日、尾道・岩国にも飛ぴ火、「火をたき、ほらがいを吹立」、「大塩ノ乱ヲマネシ」
 三 三月中・下旬、長州藩で天保八年一揆へ発展
 四 四月上旬にかけ江戸でも張紙続出、〃大打ちこわし寸前の状態〃ヘ
 五 四月上〜中旬、関東・信州および奥州における民衆の動向
 六 四〜五月、大坂・丹波・大和・播磨における大塩事件の連動
 七 北陸・山陰路の民衆の立ち上りと六月の〃柏崎騒動〃
 八 七月〃徳政大塩味方=能勢騒動〃と八月にかけての上方における打ちこわしの動き
 むすぴ
    ―民衆文化の創造への動き―

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