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深切の生活を生きよ

諸君はこういうお伽話を聞いたことがあるであろう。昔あるところに一つの大きな富んだ国があった。この国の王様に一人の賢い王子があった。この王子の欲することにしてかなわないことは一つもなかった。国中の一切の富はあげてこの王子の欲するままになった。しかし王子は何が不足なのか幸福でなかった。そしていつも王子の顔には浮かない不満足な色があらわれていた。王様は何不足のないはずの愛する王子がどうして何時も気むつかしい顔をしているのか解らなかった。或る日、王様は王子を呼んで『何でもお前の欲しいものとて、かなわないことは一つもないのにお前はなぜそんなに幸福でないのだろうね。何か心に秘密な悩みでもあるのかね』とやさしくたずねて見られるのであった。王子は答えて『わたしにしようと思って出来ないものはありませんから別に秘密ななやみはある道理がございません。それだのにわたしは人生にどうも輝くような喜びが感じられないのです。それはどういう訳でそうなのか、自分にもわかりませぬ』というのであった。

王様は国中に布令(ふれ)を出して、王子を幸福にしたものは褒美の金は望み次第だとて大懸賞つきで王子の幸福生活法を募集したのであった。

或る日一人の魔術師が王様のところへ来て『王子様を幸福にして差上げられることのできるものは私です』と申上げた。王様は、

『もしお前が王子を幸福にすることができるなら何なりとお前の欲しいものはとらせるぞ。だがその方必ず王子を幸福にできるであろうな』と仰せられた。

魔術師は王様のゆるしを得て王子を別室に伴って白紙で白い絵の具で文字を書いた。そして

『王子様、この紙を暗室に持っていって、蝋燭の灯を紙の下へかざして、文字をあぶり出してお読みになり、その書いてある通りになさいませ。きっとあなたは今日からすぐ幸福になられます』と言うかと思うと魔法使いは消えてしまった。

王子の手には明るいところで読めないただの白紙が残っているだけであった。王子は早速部屋を真っ暗にしめきって蝋燭をともして、魔法使いにもらった白紙をその灯の上であぶりながらすかして見た。白い絵の具で書かれた文字は青色にかわって次のようにあらわれた。

『毎日一度は誰かに深切にせよ。』

ああこれだ!これこそ幸福生活の秘密であったのだ!王子は魔法使いの教えに従ってその日からすぐ幸福になったのであった。

諸君よ、本当の幸福は自分の幸福を追い求めているあいだは月を追いかけて走る子供のようなものなのだ。走っても走っても結局はその幸福をつかむ日は来ないのである。

人のために役に立ち、人からよろこばれ、人のよろこびを自分の心に反射して輝くところの喜びを味わわない限りは如何なる富豪でも --- 王様でも、王子様でも、本当の幸福にはなれないのだ。自己を与えることによってのみ自己は拡大する。与えることによってのみ自分の持っている宝の価値は十倍二十倍になって還って来るのだ。

『光明の生活法』 谷口雅春 1961年 日本教文社

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 2003 Yoshiaki Sugimoto