■ ソースを生きる

ソースという自分の中の源泉、あなたの真の意味での「個性」を生きるようになると、日常の中で生活していても、常に力にあふれているのが実感できるようになると思います。この力は、あなたの中から自然にわいてくるもので、たとえばモチベーションセミナーなどに出て、人工的につくられた力はすぐにしぼんでしまったりしますが、決しておとろえることがありません。

本来その人は自営業としてひとりで仕事をするのがソースである人が、サラリーマンを辞めて独立したケースを考えてみましょう。勤め人のときと同じような仕事をしているとしても、また朝はより早く起きてよりハードな仕事をしているとしても、まったく疲れることがありません。毎日をイキイキと力にあふれて仕事していることでしょう。人間は好きなことをしているときは、疲れません。環境がきつくなっても、まったくへこたれません。

ソースに生きる、とは、本来のあなたをふたたび取り戻すことです。あなたの源へさかのぼることです。しばらくの間忘れていたかもしれない、あなたのパーツをふたたび全セット揃えて、すべてを味わい尽くすことです。それはある意味で、「あなたの魂が喜ぶ生き方」といえます。

では、ソースを生きていくと、どういったことが起こるか箇条書きにしてみましょう。

• 自分が何をしたいのかがわかっているので、まわりの人たちの意見に左右されない。
• 自分がこの世に生きている意義がわかっているので、困難にぶつかっても大きな視野から問題を捉えることがことができ、くじけない。いつも平安な心でいられる。
• 人生で進みたい方向が明確にわかっているので、自分の個性を生かしたユニークな生き方ができる。
• 自分にぴったり合った仕事や伴侶に恵まれて、毎日が楽しく充実している。
• ありのままの自分が自然な生き方をしているので、疲れず何の不安もない。
• 自分の生き方を応援してくれる人たちが自然に集まってくるので毎日が楽しい。

ソースを生きていると、朝元気に目が覚め、仕事が仕事と感じられないほど楽しく、一日があっという間に過ぎて、夜、満たされた気持ちで床につくことができます。ありのままの自分を愛してくれるパートナーに恵まれ、心から人を愛する生き方ができます。自分の生きている理由がわかるので、人生に何が起きても動転しないで、安心して生きていけます。

ワクワクというのは不思議なもので、努力して好きになることもできなければ、意思の力で嫌いになることもできません。オートバイが大好きな青年に、代わりにサイクリングを好きになれといっても無理でしょう。そのひとからオートバイを奪ってしまうと、その人らしさの一部が欠けて、生気がなくなってしまいます。ワクワクを押し殺した生き方には無理があって、いつかどこかで爆発します。我慢する生き方からは喜びは生まれません。

ワクワクは私たちにとって贅沢品ではありません。あなたがあなたであるためになくてはならない必要条件です。あなたの生命を活性化する原動力です。あなたと同じワクワクを持っている人は他に誰もいません。ワクワクはあなたの「個性の指紋」です。

自分の個性を生かすソースの生き方こそ、一番自然な生き方であり、その人の使命を全うする責任ある生き方と言えるのではないでしょうか。

自分のワクワクを無視して、世間やまわりの人たちの期待に沿った生き方をしていると、そうした偽りの姿に合った仕事や人間しか引き寄せられてきません。ですからこれを、リトマス試験紙のように使うこともできます。あなたのまわりの環境をぐるりとご覧になってみてください。もし、あなたを囲むすべての仕事や人間関係や環境が、何か違うと感じているのなら、もしかしたらあなたは自分のソースを百パーセント生きていないのかもしれません。

まわりに合わせた生き方から、自分のワクワクを生きるように変えた場合に起こりやすいことですが、ときとして、古い友人や知人などを失うことがあります。でも心配しないでください。これは新しい生き方にふさわしい友人が現れる準備です。あなたの生活にプラス因子の活動や人物が増えていくにつれ、マイナス因子やゼロ因子についやす余分な時間がなくなった結果です。ソースを生きるようになって、離婚したり、仕事を変えたり、独立したり、恋人と別れるようなことがあるかもしれません。しかし、あなたのソースにぴったりと寄り添って生きている限り、その痛みは次にくる、より大きな喜びによって報われます。しかしこう言ったからといって、あなたの今の仕事やパートナーから、今すぐ離れなさいと言っているわけではありません。このマイナス因子と離れる、ということは非常に微妙な部分を含んでいます。つまり自分の「エゴ」の部分からその行動を起こそうとしているのか、それとも自分のソースにより深くつながるためにそうしようとしているのかを自分を客観的にみて判断しなければなりません。そうでないと、安易にあなたの環境だけを変えることになってしまいます。自分の中の深い部分をしっかりと見ていってください。そうすると、何が本当のあなたのソースなのか、ある想いが自分のどこの部分から出てきているのかがよくわかります。

こうして自分のソースを生きていると、人生に勢いがついて、次々と新しい人物やチャンスが引き寄せられてきます。精神的な刺激や豊かさをもたらし、あなたの人生に意味を与えるような活動や人物がまわりに集まってきます。これは何も不思議なことではありません。イキイキと生きている人のまわりに同じような人たちが集まってくるのは自然な現象です。ですから、たとえば理想のパートナーと出会いたい、理想の仕事に出会いたい、というときにも、何もパートナーや仕事を夢中になって探す必要はない、ということになります。これはちょっと矛盾して聞こえるかもしれませんが、人生の不思議な真理のひとつです。「自分のワクワクのまわりをうろつく」ことです。あなたがすでにソースを生きていれば、自然にそれらの人やものはあなたの方へ引き寄せられてやってきます。本当はこれが一番確実で一番速い方法なのです。

また、心がイキイキしてくると、肉体まで活性化されて、病気がよくなったり、健康が増進したりすることも珍しくありません。聞いた事がありませんか？ガンなどで余命一年と宣告された人が、それだったら今までやってこなかった好きなことをやろうと決めて、病院を出てワクワクを生きたとたん、病気が治ってしまったという例を。担当医さえ、何が起きているかわからないくらいです。ワクワクには理屈を超えた奇跡的な力が備わっている、と言えるでしょう。

ソースを生きていると、人生そのものが自己発見の旅になります。ひとつのワクワクを実践すると、それが新たなワクワクへとつながり、どんどんと自分の枠が広がって未知の自分に出会います。夢のまた夢と思っていたことが現実になります。

自分の生き方がこれでよいのかと迷うこともありません。自分の人生がどこに行き着くのかと心配することもありません。進む方向だけが大切なのであって、どこに到達するかは問題ではないからです。人生は、ある意味では最終目的地が大切なのではなく、そこに行き着くまでのプロセスが大切なのかもしれません。ですから、目標地点を決めるという、今までの願望実現などのプログラムは、何かそぐわない感じがするのではないでしょうか。私たちは本能的にそのことを知っているのです。あなたの人生のプロセス、道程を楽しみましょう。

それがあなたが生まれてきた最大の目的かもしれないのですから。

「あなたの存在意義」や「ワクワクの地図」は、まわりの人と似ている「部分」はあっても、全体としてはあなたオリジナルのものです。心の奥から聞こえてくる直観の声を頼りに、「あなたの存在意義」をガイドラインにして、他のだれのものでもない、あなた自身のソース、世界にたったひとつしか存在しない貴重な「あなたというソース」を生きてください。世界の人々が、それぞれの人の数だけ存在するソースを生きるようになると、世界はもっと住みやすく、もっと喜びにあふれた場所になっていくでしょう。それこそが、「真の社会貢献」ではないでしょうか。ワクワクをひとつ残らず実践し、自分らしい熱い人生を生きようではありませんか。

我慢する生き方を捨てて、ソースの道に踏み出しましょう。ワクワク人生が手を広げて、あなたが来るのを待っています。さあワクワク人生にいっていらしゃい。

『ソース』　マイク・マクマナス　１９９９年　ヒューイ陽子訳

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