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他人の気持ちや言葉、又は事件や病いというようなものに心を脅かされたり、圧倒される人があるとしたら、心身相関の真理を正しく理解せぬ人である。 心が身体に影響を与えるということは、何も特別に理屈で考えるまでもなく、日常の人生生活を営む際に誰も体験していることである。 ところが、何事ぞと言いたいくらい、概ね多くの人々は、往々これをすこぶるなおざりにしている。そしてそのため、もっと健康的にも、運命的にも、恵まれた幸福な人生に活きられるものを、不本意にも、価値のないものにしている。 真の幸福というものは「富」とか「地位」というようなもので、現実にこれを購い得べきものでない。所詮は、一にも二にも、心の力がこれを解決するものである。言い換えれば、人生に対する精神態度というものが、人生を幸福にもまた不幸にもする。 というのは、この大宇宙の中には、建設の作用を現実化するプラス、積極の気と、破壊の作用を現実化するマイナス、消極の気とが、宇宙の進化と向上とを現実にする新陳代謝作用を完全にするために、いかなる空間にも遍満存在している。そして、その微妙なる気が、人間の気分、すなわち精神態度と常に同化的に運行していると考えられるからである。 この峻厳犯すべからざる大事実を考えれば、人生に活きる際の精神態度、すなわち心のもち方というものが、どんなに切実な消長関係を人生全体に与えるかということが、極めて明白になるのである。 人生何よりも戒むべきものは、どんな事情があろうとも、心を消極的にしては絶対ならない。それはただ人生の光明を闇とするだけで、結局は寿命でもないのに往生の時を早めるだけのものになり終わる。 ところが、他人が何かの事情で憂鬱になったり、悲観したり、心配したりすると、往々同情の堰を飛び越して、自分までもそれと同じ気分になって、極端に精神態度を消極的にしてしまう人がある。また中には、他人の言葉や行為に自分の心を影響させたり、同化させたりして、或は不愉快になったり、不機嫌になったりする人がある。 さらに笑うべき人になると、何事かを人に忠告したり、あるいは勧告したりしたとき、相手の人が快くそれに応じてくれないような場合、やたらと気分を悪くする人がいる。もっと滑稽な人になると、人に親切にしてやって、相手がその親切に感じないと、盛んに憤る人がいる。 もっと愚にもつかぬ人がいる。自分の仕事や為す事などが思い通りうまく行かないと、がっかりして、傷ついて、憐れなほど意気消沈する。もう他人事ではない。肝心な自分の人生を汚しているのである。 いずれにしてもこうした心構えでは、いくら学識があろうと、金持ちであろうと、さらに社会的な地位をもっていようと、真理というものは事情には同情しないのであるから、先述のとおり、ただ徒に不幸な状態を心ならずも導入して、結局は往生の時を早めるだけのこと以外、何にも値打ちのあることは人生に招来されない。 分かり切ったことであるが、人生にはだんぜん二ページはないのである。従って自分の人生はあくまでも自分自身がこれを完膚なきまで護り抜いて行くべきである。それが即ち人生の尊厳にして、最大なる義務である。 それにはいかなる瞬間にも、心と身体の相関関係の現実を絶対に忘るる勿れである。 中村天風 『天風哲人箴言註釈』より抜粋 現在は 『叡智のひびき』 講談社 1995年 として刊行されています ●カウンセリングとコーチング ●ビジネス・コーチング入門 ●社会人のためのカウンセリング ●ライフワーク・コーチングの奨め 主要メニュー コーチングを受けて見ませんか コーチングとは コーチとは コーチングの例(パーソナル) コーチングの例(ビジネス) 体験コーチングの進めかた 体験コーチングの申し込み |
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2003 Yoshiaki Sugimoto |