Я[大塩の乱 資料館]Я
2013.8.25

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「大塩の乱関係論文集」目次


『大塩平八郎』

その1

香川蓬洲

精華堂書店 1912

◇禁転載◇

     〔序〕

管理人註
   

大塩平八郎だの、平賀源内だのつて人物は、いつまで経つても毀誉褒貶 の定まらない、寧ろ評判の動いている人物だ。それだけに随分変り者の 変つた観察を受け易い。中には甚しく彼等を崇拝する者もある。それは 其人の性質境遇、又は年齢の或る時期、知識学問から来る所のの或る心                  理的変化に因るものもあらう。併し孰れも絶対の是非は許されない。同 時に大塩や平賀を極端に批難するにも当たらない。彼等が彼等の態度と 運動とを取るまでに到つた経路には、それ相応の理由が其処に在る。内   おこ から発つた理由もあらうし、外から迫られた理由もあらう。彼等を見る                        おの/\ 者の皆同じでないと同様に、彼等自身の考へる所も 各 違つたものがあ らう。それやこれやを綜合してでなければ、ほんとうの是れ沙汰は出来 ぬ。香川蓬洲君の「大塩平八郎」は彼を研究するに、必ず著者の予期せ ぬ程の勿怪の資料を供するものがあらう。之が此書を読む者の心得でも あり、態度でもあるべきだと思ふ。               帝国新聞社の三階で                     中尾鴃村

   
 


『大塩平八郎』目次/その2

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