発行人 向江強／編集 和田義久
目 次 第１２５回例会（承前） 「塩逆述 巻之七上」 （５）同二度目ノ書 （６）同申来文哉ノ書 ・「諸口要害の警備」 ○催し「大塩平八郎と天満」 ○「大塩の乱資料館」表紙 ○第１回 大塩平八郎を語る 新渡戸稲造 ○野市氏から「塩逆述」の釈文の提供
（５）同二度目ノ書 島原侯蔵屋敷役人岡部武兵衛と羽田喜太夫から江戸への書簡である。たぶん前書同 様松平十郎左衛門と桃井又右衛門宛であろう。
特に問題点はなかった。
「大坂近辺御大名方出張之向も一昨夜より昨朝ニ掛追々引取ニ相成候ニ付」とある が、河村与一郎『警世矯俗大塩平八郎伝記』（大阪府立中之島図書館蔵）にまとめら れているので、紹介しておく（次ページ参照）。
（６）同申来文哉ノ書
これも、大坂の蔵屋敷留守居から江戸表に遣わされた書簡であろう。
さて、「御素代様」とは「御寿代様」の間違いで、井形さんによると、「おそよさ ま」といって、京都におられた殿様のお妾さんのことらしい。しかし、詳細はわから ないという。この史料によると、文哉は、この御寿代様が京都から江戸に入るとき に、お供したことが明らかにされている。
ここでは、文哉が大塩平八郎の面体によく似ているが、惣髪だったので違いは明白 だったという。
ところで、島原藩としては、文哉が大塩一党に加担したいたのは明らかなので、後 難を避けるため「人高除之者」として取り扱うことを指示している。興味深いところ である。
なお、蔵屋敷の動向について、『大阪市史第２巻』に次のように記述されている。
| 「諸口要害の警備」 |
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「大塩の乱事典」の「大塩事件勃発当時の「諸国要塞ノ警備」状況」参照。
| 第１回 大塩平八郎を語る |
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新渡戸稲造（1862〜1933）『一日一言』（大正四年一月刊）
二月十九日
天保八年（西紀一八三七年）の今日は大塩平八郎が大阪に乱を起した日である。彼の行り方は兎も角も、その志す所は、知行一致。退いて我が胸に手をあて、心だに一点の私なければ、勝敗は論ぜずして、実行するの勇気は大に学ぶべく、殊に彼の如く貧民に対する同情より起つた気前は永遠の尊敬を値する。
| 野市氏から「塩逆述」の釈文の提供 |
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― 大 塩 の 乱 の 実 像 に 迫 る ―大 塩 平 八 郎 と 天 満
──── 見 る ・ 聞 く ・ 歩 く ────
１８３７年（天保８）大坂の天満で起こった大塩の乱は、「救民」 を旗印に大塩平八郎らが決起した事件です。飢饉にあえぐ庶民を救い、 大坂町奉行の悪政を糾弾するためで、乱は１日で終わったが、幕府に 衝撃を与え、幕藩体制を揺り動かしました。 この事件をめぐって、さまざまな資料や伝承があり、今なお人々の 心の中に生き続けています。しかし、いまだ決起の真相は解明されて いません。そこで、新しい史実の掘り起こすため、 「大塩平八郎と天満」と名をうった、イベントを大塩平八郎ゆかりの 地、天満で開催することにしました。 記 と き ２月１７日（木）〜２１日（月）５日間 ところ てんさんＭＯＮＯ−ＧＯＴＯ館（大阪市北区天神橋３−７−２７）ほか 参加費 無料 内 容 【見 る】 ２月１７日（木）〜２１日（月） 午前１１時〜午後７時 場所／てんさんＭＯＮＯ−ＧＯＴＯ館 ○大塩平八郎と大塩の乱に関係する資料や愛刀などの展示 ○パソコンによる電子博物館「大塩の乱資料館」の閲覧 ・「檄文」史料など ○大塩の乱関係のビデオの放映 ・「大塩平八郎と民衆」ほか 【聞 く】 ２月１９日（土） 午後２時〜４時 場所／ギャラリー「トムジエム」（天神橋３丁目、堀川児童公園内） ○大塩の乱に参加した門弟たちの子孫による伝承の掘り起こしを 通じて、平八郎の決起の真相を探る。 【歩 く】 ２月２０日（日） 午後１時３０分出発（約２時間程度） ○大塩平八郎に関係した史跡を、天満を中心に歩く。 コース てんさんMONO-GOTO館 ─ 大塩平八郎墓所（成正寺） ─ 大塩清墓（蓮興寺）─ 天神橋筋商店街─ 天満宮─川崎東照宮 （滝川小学校）─ 洗心洞跡碑（造幣局宿舎北１号館前） ─ 与力役宅門／改築中（造幣局厚生クラブ）─ 大塩砲撃跡 （国道１号沿い）─ 寺町筋 ─ てんさんMONO-GOTO館 主 催／大塩事件研究会 共 催／天神橋筋商店街連合会・町街トラスト 特別協力／堺鉄鉋研究会 問合せ／てんさんＭＯＮＯ−ＧＯＴＯ館 TEL 06(6352)6164