Я[大塩の乱 資料館]Я
2009.1.7

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大塩の乱関係論文集目次


「大塩噂聞書」

その7

重 扇助

『演劇脚本摘要録 第1』中西貞行 1895 所収


◇禁転載◇

本文は、適宜読点・改行を入れています。


七幕目

吹田村神主内の場

神主宮脇志摩は、大塩の伯父なる故、捕手は商人になり、探りに来り帰る、志摩は、押入よりお勇、お次と大塩の子弓之助を出す、お勇、夫トの身を気遣ふを、志摩は慰める、下男可助帰り来る故、三人を押入へ隠す、可助は大阪の与力高橋佐左衛門と八田又兵衛が捕手を連れ、白井幸左衛門が屋敷へ押込み、是から吹田村を詮議するといひ居ると告げる、志摩は、可助を村の出口へやり、遠見をさせ、志摩は三人を又呼び出し、落さんと計る所へ、庄司義左衛門来り、大塩より迚も逃るゝ事なけれは、妻子を殺しくれと頼まれたれど、逃げらるゝだけ落延びんと、伊丹を志し、三人を連れ、落行く、高橋、八田は、捕手を連れ、庄屋に案内させ来る、志摩はも陳弁せし末、大塩の妻子をかくまひし言訳とて、切腹なし、河内大和を山越しに、泉州へ落としたりといふ、高橋等は、其跡を追ひ行く、志摩、実は猫腹を切つて居るなり、大塩は、神前の絹の内より出て、摂州へ足を留め、折りを見て、大内家へ落行かんと出行く事、


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