Я[大塩の乱 資料館]Я
2009.1.6

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大塩の乱関係論文集目次


「大塩噂聞書」

その6

重 扇助

『演劇脚本摘要録 第1』中西貞行 1895 所収


◇禁転載◇

本文は、適宜読点・改行を入れています。


六幕目

東町奉行所の場

お勇、お次は、神祭りをなし、三平と下女お律は施行をなし居る、爰へ矩之丞来り、大塩も忍びにて来て、矩之丞は、大塩に閉門の子細を問ふを、追つて話さんとて、お次との祝言の盃させんとするを、矩之丞は、武術修行の廻国を終つて後に致さんといへとも、大塩色々と勧め、終に承諾する事、
矩之丞は、大塩に逆意の企あるに相違なし、本心に立返りくれよと諫めるを、大塩は、逆心なしと答へ、和歌を詠んで、奥へ這入る、矩之丞は、大塩を討果す為め、踏込まんとするを、三平出て止め、黒闇山にて出会ひし時は、馬士となつて盗賊の詮議に行きしが、実は大塩の家来三平なりと名乗り、件の捨文を見せられ、是非なく、大塩の居所を教へる事、

平山助次郎変心の場

助次郎は、夜中の出仕、合点行かずと止めらるゝも聞かず来る、山城守出て、其趣意を問ふ、助次郎は、願書を出し、切腹して、大塩ハ施行を名とし、亡主の恨を散せん企てなりと告ぐ、山城守は、手配りをなし、八田又兵衛は、助次郎の介錯をする、山城守は、瀬田済之助、小泉淵次郎を、火急の用なりとて召し、助次郎の変心を告げ、召捕らうとして立廻りになる事、

大塩平八郎居間の場

矩之丞は、忍び入り、名乗りかけるを、格之助、小蔭より出て立合ひ、矩之丞、態と切られる、大塩障子を開き、陣立にて出て、義と孝の為めに、格之助に態と切られしならんと星を差す、矩之丞、本心を語り、大塩も素性を告げて、心底を明かす、瀬田は助次郎が変心せし注進に来り、大塩は、三平に言附け、味方を集める狼烟を上げさせにやる、大塩等は、出陣せんと這入る、追手の軍勢来るを、矩之丞防ぎて、追散らし、梅の木に上りて、大塩が出陣の有様を見て、下り来り、自ら刀を咽に貫き死する事、

今橋鴻池焼討の場

大塩始め、一味の者大勢は、大砲にて焼討なし、勝鬨を掲げる事、


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