河村与一郎「警世矯俗大塩平八郎伝」4

Я［大塩の乱資料館］Я
2011.1.2

『警世矯俗大塩平八郎伝』
その４
河村与一郎(貞山)

赤志忠雅堂 1888

◇禁転載◇

　　　　　　　　　　　ｺｳｿ　　　ﾏｻﾀｶ　　　ｼｷ平八郎、姓ハ大塩、名ハ後素、一名正高、字ヲ子起卜称シ、号ヲﾁｳｻｲ　ｼﾂ　ｾﾝｼﾝﾄﾞｳ中斎、室ヲ洗心洞ト曰フ、大坂東町奉行組与力ナリ、実父ハ、徳　　　　　　　　　　ﾏﾅﾍﾞ島藩家老稲田氏ノ臣、真鍋次郎卜曰フ、平八郎ハ其二男ニテ、初　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾉﾁハ大坂ノ人、塩田喜右衛門ニ養ハレ、後大塩平八郎ノ嗣トナル、　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾀﾝ　ｳﾏﾚ　　　　ｴｲﾁｹｲ相伝フ、父母豊国神社ニリ、平八郎ヲ誕ス、生テ数歳、英智慧ﾋﾝ　　　ﾄﾞｳｷﾞｳ敏、既ニ呑牛ノ気アリ、長ズルニ随ヒ、読書ヲ好ミ、武ヲ嗜ミ、　ｽﾐﾔｶ　　　　　　ｵ進歩驟ニシテ、老成ヲ圧ス、七歳ニシテ大塩氏ニ迎ヘラレタリ、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ﾖﾘ大塩氏、其先ハ今川治部大輔義元ニ出デ、義元累世ノ名族ニ藉テ、　　　　　　　　　　　　ﾊｻﾝ　　　ﾆｷﾞ駿遠参ヲ併セ、足利将軍ヲ挟デ覇権ヲ握ラント欲シ、大挙シテ尾　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｵｹﾊｻﾏｵﾄ張ニ入リ、織田信長卜戦ヒシガ、一敗シテ、命ヲ桶峽ニ殞ス、其　　　　　　　　　　　　　ﾎﾞｳﾄﾞｻｲｻｸ　　　　ﾄｳﾎﾝｾｲｿｳ子氏康、暗弱ニシテ武田氏ニ部土ヲ削セラレ、東奔西走、遂ニ家国ヲ失ナヒ、妾腹ノ男子徳川氏ニ扶持セラレ、嘗テ小田原役ニ　　　　　　　ｻｲﾁ　　　　　　　　　　　　　　ﾄｳﾄ功アリシカバ、采知ヲ伊豆ノ塚本村ニ賜フ、東照公当途ノ後、其子尾侯義直ノ隷士トナリ、大塩波右衛門ト称ス、長男某其宗ヲ承ケ、季子政之丞、大坂与力トナル、是ヲ平八郎ノ養家祖トス、平　　　　　　　　　　　　　　　　ｼﾞﾖｳｿ八郎七歳ニシテ養父母ヲ喪ヒ、遂ニ承祖トナル、嘗テ街上ヲ過ギ、ﾆｽｳﾄﾞｹﾝ　ﾌﾙ　　ｶｸﾀｳ　　　ﾐ　　　　　　　　　　　　　ﾕﾙｶﾞｾ二雛奴拳ヲ揮ヒ、格闘スルヲ看、急ニ其両間ニ入リ、主用ヲ忽ニ　　ｼﾌﾝﾀｸﾏ　　　　　ｾ　　ﾒ　ｲｶ　　　ｼﾂシテ私憤ヲ逞シクスルヲ嘖メ、眼ヲ瞋ラシテ叱シケレバ、二童恐　　　　　　　　　　　　　ｷｶﾞｲｽﾙ　　　　　ｼﾊﾞ　　ｶレテ謝シ去リケル、幼稚ヨリ気慨鋭ドクシテ、少ラクモ貸サゞル、皆此類ナリ、

幸田成友『大塩平八郎』その７

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『警世矯俗 大塩平八郎伝』 その４ 河村与一郎(貞山)

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その４
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