玄関へ
「大塩の乱関係論文集」目次
松林白猿 講演
大塩平八郎成る、彼が一生の径路是に就て見るを得べし。 趣味の津々として尽きざるば是れ彼が伝に非ずや、其の性格の急峻なるは是 れ彼が特性に非ずや、見よや、彼鴨涯の一処士は時事に感激する処あるや、 筆を揮つて満空の磊塊を血文字に託し、剣を握りてツと立てるを。 言はざるは言ふに勝ると、蓋し質なきものは形を以て飾るを云ふなり、本講 談や又此の諺に適す、故に余は敢て賛せざるべし。 十月十三日 蒸寛堂
磊塊 (らいかい) 胸の中に積み 重なった不平