村 上 義 光 (1916−1992)
『大塩研究 第23号』1987.12 より転載
本稿は紙面の限定により、堀鉄蔵の思想形成の地域的特性と、彼が大塩の義挙に対する共感と幕政批判の胎動を示す顕著なる一面のみを取り上げたが、他の一面、大塩の乱前後の経済状態を丹念に記録した、天保四年〜十一年の諸物価の動向・多様な世相の動き等々の貴重な天保期の断面を示す側面を紹介し得ないのが残念であるが、これ又前述の『産大論集』六十六号・六十八号を御参照願いたい。
最後に大阪産大論集に発表以来、青年堀鉄蔵の存在を広く読者に報道して下さった、朝日・毎日・読売・京都城北、山城の各紙に感謝し、又、於大阪城天主閣、自六二・三・二一、至、五・一○迄大塩事件一五○周年資料展開催に当り堀鉄蔵文書を大塩関係一級新資料として、全記録文書を展示広く紹介して戴いた大阪城天主閣学芸員、内田氏に厚く御礼申上度い。又、生家の堀道和・淳子の両氏、城陽市史編纂室の大畑氏の強力な御援助にも厚く御礼申上る。尚堀家文書研究参加と論集発表の機会を与へて戴き全面的な御指導を載いた産大教授中瀬寿一氏に深甚の敬意と謝意を表したい。
(未完)
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