『大塩研究 第26号』1989.7 より
江戸時代に記された日記には現在見る事の出来ないもの、いわゆる「目に見える過去」が描かれている。天候・病気・来訪者等々当時の風俗習慣が手にとる様にわかる。
淡路国鳥井村(現在の三原郡三原町八木)の庄屋・島田茂右衛門の天保三年より嘉永三年まで十八年間にわたる日記(長帳仕立・約四百九十枚・八冊)は淡路島の「江戸期」を知る非常に貴重な資料である。
天保八年二月大塩の乱が起った。海をへだてた淡路の民衆はこの事件とどの様なかかわり方をしたのであろうか。私は、この日記からその関係のある箇所をぬき書きし、この事件がその後、明治維新をむかえて淡路にどの様な影響をおよぼしていったのかを私なりの考えでま
とめてみたい。
【写真 写真は島田茂右衛門日記。天保7年正月より同10年8月までのもので140枚綴。 略】