Я[大塩の乱 資料館]Я
2009.3.12

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大塩の乱関係論文集目次


「大塩中斎」

その48

高瀬武次郎 (1868−1950)

『日本之陽明学』榊原文盛堂 改訂 1907 所収


◇禁転載◇


 識見(4)
  其四 大悟徹底
管理人註

    

  其四 大悟徹底            トシテ レバ  ヲ   ニ   チ   ハ      セン 中斎曰はく、「一旦豁然 見天理乎心。即人欲氷釈凍解矣」、 と。中斎が廓然悟入して利欲を去り、修道に精進せしは、多 とするに足る、斯学に得る所最も此点にあり。古来陽明学者 が大業を為し、当人を驚かしゝは、実に利欲を離て、心事磊々 落々たるに基因せずんばあらず。凡そ吾人利欲あれば必ず危 懼あり、危懼あれば其心平称を失して、挙措其所を得ず、遂 に事を誤まるもの比々是なり。虚心平気は成業の秘訣なり、 而して陽明学の大本領亦此に外ならず。中斎の語、時に奇矯 に失するものありと雖も、彼か富貴利禄を羨ますして、高く 聖賢を以て其目的と為ししは、大に欽慕するに足る。

    
  


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