古本大学刮目七巻、天保三年六月上梓されしが、梱外不出之書として、
門人以外のものに示さなかつた。
洗心洞箚記三巻、天保四年刊行され、平八郎の独特の学説を載せてゐる。
附録一巻は交友知己の書簡を集録せるものである。
洗心洞箚記抄録二巻、此の書は箚記中より七十五條を抄録せるものであ
る。是れ蓋し平八郎が自ら抄録して、間某に託し、佐藤一斎に送つた草稿
の写であらう。
儒門空虚聚語三巻、此の書は天保四年の刊行に係る、平八郎は本書に於
いて、太虚の説は孔子以來之れあることを証せんが為めに、すべて此の事
に関する古人の言論を集録してゐる。
此の外、増補孝経彙註三巻、洗心洞学名学則一巻、古本大学旁註一巻、
大学或問増註、奉納書籍聚跋一巻、洗心洞詩文二巻等がある。
（井上哲次郎博士著日本陽明学派之哲学、見聞随筆、大塩平八郎檄文一巻
等参照）
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