■１００パーセントサポーターの意義

コーチはその人の応援団長となります。１００％味方なのです。そしてその訓練を受けています。

友人・知人なら相談に乗ったり、アドバイスをしたりしてくれます。しかし相談した内容が重過ぎれば人間関係を損なってしまう可能性があります。友人・知人は、基本的に訓練を受けているわけではなく、責任もありませんので、悲観的な意見などの否定、押しつけなどのお節介、世話焼き、誘導、羨望、嫉み、無意識な依存を生んだりなどの感情的な問題に発展する可能性があり、話を聞いてくれて良かったですめばいいですが、せっかくのやる気が削がれてしまうこともあります。こういった弊害に関しては下記文献を読んでみてください。

（前略）

多くの人の劣等観念をたどってみると、それは誰かに感情的に次のような言葉をぶっつけられたのが原因になっていることがわかるのである。　「お前は全く役に立たねえ野郎だ。お前はこれまで良かったためしはないし、これからだって決してよくなるためしはなかろうよ」　とか、「君のような人間はこの世でどんな仕事をやっても絶対成功しないよ。機転がきかないし、なまけものだし、何をやらしても駄目なんだ」　こんな批判は真実であり得ないと常識は考える。しかし、人がそのような言葉の砲火をまともに浴びる場合、特にその人が、批難の言葉を発する人にかねてから尊敬の念を抱いていたならば、彼の心はその人には非常に敏感であるので、まるで催眠中に受ける術者の命令であるかのようにその批難の言葉を心に受け入れてしまうのである。そして、たとえ彼がもっと正しい判断力があるにしても、疲れているときや、たまたま自分の事業が不景気に面しているときなど、以前に人から言われた批判の言葉を思い出して　「やっぱり、そうだ。俺は駄目だ」　と信じてしまう傾向があるのである。

人生の道においてあなたを間違った方向に導いたからといって、その人を恨むのは見当違いである。彼はあなたに親切のつもりでそうしてのかもしれぬし、あるいは自分で人に与えた感情的爆発が後にいかほど大きな影響力をもつものか気がつかなかったのである。

（中略）

あなたは願望達成の計画を誰にも見せるべきではない。こんな示唆を行うのは当たり前のことを言っているので、何も神秘的なことではないのである。もちろん、他の人にあなたの夢を打ち明けて協力してもらってもよいこともある。それはその人があなたと同じことに興味を持っていて、あなたの願望に共鳴してその実現の努力に参加してもらえる場合である。しかしながら、あなたが一人だけで計画を練っているのであるならば、それを他言してはならないのである。あなたが自分の計画を、それに関心を持たない第三者に見せた場合、彼はあなたの意気をくじき、情熱を失わしめるようなことを言うことになるかも知れぬのである。成功していない人は、ときどき、成功している人に対しては誰彼の差別なく腹のたつものなのである。私なら自分の夢を打ち明ける人と言えば、たとえ私の夢の実現の計画にかかわりがない人でも、第三者の立場に立って事物を見て、建設的な示唆を与えてくれることができるような人、かかる人にのみ私は自分の夢を打ち明けたいものである。

（後略）

『心の力の秘密』　ユージン・ロイ・デービス　１９６４年　伊藤正・谷口雅春共訳

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