イット・ワークス 夢をかなえる赤い本
ごくひと握りだが、この世には、欲しいものが次々と手に入る人がいる。彼らには、なぜそんな幸運がめぐってくるのだろう。特別な星の下に生まれついたのだろうか?それとも欲しいものを自由に手に入れることができる魔法の力でも持っているのだろうか?

答えは、どちらも「NO」だ。私は、数年がかりでその答を探し求め、ようやく知ることができた。欲しいものを手にするためには、ある「システム」が必要なのだ。

「そんなに簡単に願い事がかなうなら、だれも苦労なんかしない!」そんな風に、あなたは思うかもしれない。だが、あなたはごく身近にある、ごく簡単な法則に気づかないだけなのだ。

ほんとうは、誰でも自分の望むものを手に入れることができる。そのためには、まず「本当に欲しいものとは何なのか」をしっかりと認識することが必要だ。



世の中は「ため息」「グチ」「小言」で満ち満ちている。赤いスポーツカーを見ながら「あれがオレのものならなあ」とぼやく、レストランのウエイターがいる。

宝石店を覗き込み「あんなのがあったらなんて素敵でしょう」とため息をつく電話オペレーター、「ハクション!どうしてこう毎年、花粉症になるんだ」と声を上げる社長がいる。

この人たちは、ただなんとなく文句を言っているだけで、自分が本当は何がほしいのかについては、さっぱりわかっていない。大切なのは、自分が「本当に欲しいものは何なのか」をはっきり認識することだ。そして欲しいものや希望の状態を明確に見定めることだ。

それは、まるで聴きたい番組にあわせてラジオの周波数を調整するようなものだ。同じように、あなたが欲しいものを明確に決めさえすれば、夢は必ず実現する。

周波数を合わせるには、あなた自身に備わっている「装置」、すなわちあなたの中に眠る力の存在を知り、それを引き出し、使わなくてはならない。



『超常現象の法則』の著者、トマソン・ジェイ・ハドソン博士は、このあなたの中にある「全能の力」力を「サブジェクティブ・マインド(主観的意識)」と呼んでいる。

ほかにもさまざまな作家たちが、いろいろな呼び名でこの力について書いている。共通するのは、誰もが「無限の力を持つ」ことを知っていたことだ。ちなみに、私はこの力を「エマニュエル(私たちの中にいる神)」と名づけている。

ただ、注意しなくてはならないことがある。それは、願い方が中途半端では、夢の実現は無理だということだ。結果を強く、強く望むこと。それこそ全身全霊で願うことだ。そうしなければ、無限の力とつながることは不可能だ。意識は非常に迷いやすいものなのだ。

あなたは「こんなものがあれば」「あんなことができたら」などと、安易に願っていないだろうか?それらは、単に口に出しているだけで、数秒後には忘れてしまうような類の希望かもしれない。



「スポーツカーがほしい」と願うウエイターは、それを手に入れた自分の姿を想像したことさえない。花粉症の社長も「また花粉症の発作が起こる」ことを知っていて、手をこまぬいているだけだ。

要するに、彼らは自分が何を望み、どうしたいのかよくわかっていないのだ。はっきりしないから、なんとなく不満を抱えるのだ。

心の中であれこれと浮気していると、あなたのなかにある本当の力
は、うまく実力を発揮することができない。

その力は、あなたに仕える日を今か今かと待つ「アラジンと魔法のランプ」のような存在だ。あなたが、心から欲しいと思ったものをつかむことができる、ものすごいシロモノなのだ。

あなたが、神を信じているかどうかはこの際、関係ない。大切なのは、その力を信じることだ。もし「現状を変えたい」と心から思うなら、この力を使うためのシステムを学ばなくてはならないのだ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■■「欲しいものリスト」で夢をかなえる

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

では、ここで夢をかなえるためのシステムについて説明しよう。最初に、自分の「欲しいものリスト」を作る。作り方は次の通りだ。

まず、あなたが欲しいものや、願っている状況をすべて紙に書き出す。この際、重要な順に書くこと。「これでは多すぎるのではないか」「あまりに欲深すぎるのではないか」などと恐れることはない。

「もうこれですべて書き出した!ほかに望むものは何もない」と思えるまで、どんどん書こう。

この「欲しいものリスト」は毎日書き換える。新しいものを付け足したり、興味のなくなったものを削除するなどして、毎日更新することが重要だ。

このとき大切なのは「自分の気持ちにピッタリくるようにする」ことだ。「はじめの目標とまったく違うものになってしまったて・・・」などと心配する必要はまったくない。

気持ちが変わっていくことは、目標を達成する上で起こる、ごく自然な現象なのだ。



「欲しいものリスト」ができたら、今度はこれを使って客観的意識を目覚めさせることだ。やり方はごく簡単。以下のようなステップを実行すればよいのだ。

1.1日3回、朝・昼・晩に「欲しいものリスト」を読む2.欲しいものを毎日、何度も思い浮かべるようにする。3.あなたの中の「無限の力」に、いつも話しかけるようにする

ただし、あなたが欲しいものを誰にも話してはいけない。「客観的意識」は周囲の影響を受けやすいからだ。疑り深い人ばかりに囲まれていると、システムがうまく機能しなくなってしまう。

したがって、友達は慎重に選ぼう。あなたが望むものを持っている人とつきあうのだ。もちろん「どうやってそれを手に入れたの?」などと聞いたりしてはいけない。



欲しいものは、とても手が届きそうにないほど、遠くにあるように思えるかもしれない。こんなシステムを学んだところで、とうてい実現できそうにない、と感じられるかもしれない。

それでも、何も考えずこのステップをひたすら実行し続けることをすすめる。一粒の種も土に植えて世話をすれば、芽を出し、茎を伸ばして、花を咲かせ、やがて立派なとうもろこしに育つ。

そこには理屈など何もない。同じように、夢もまた、ただ手順に従って育てればいつしか実現するものなのだ。

リストの内容を心に刻みつけ、何度もその内容を心の中で読み上げよう。そうこうするうちに、あなたの中にある「疑いの心」も、いつしかしぼんでいくにちがいない。

すると、夢を達成するための手段が、次々に目の前にあらわれるようになる。効果が形となり進歩が始まると、新しい願望が芽生えてくることだろう。



最後に、これだけは覚えておいて欲しい。あなたが心の底から「本当に欲しい」と願っていれば、その夢の実現を妨げるものなど、何ひとつありはしないのだ。

なにしろ、あなたの中の「無限の力」は、いつでもスタンバイ状態で指示を待っている。あなたの準備ができさえすれば、すぐにでも力が発揮できるのだ。

このシステムを忠実に実行してゆけば、あなたが思っているよりずっと早く、その力は目覚めることだろう。もしも「そんなことはありえない!」「信じられない!」という考えが頭に浮かんだら、すぐに「欲しいものリスト」を取り出してみることをすすめる。

それを読み返し、心に刻もう。あなたのなかの猜疑心がすっかり消えるまで、繰り返すのだ。さあ、お金、家、車など、あなたがほんとうに欲しいと思うものをなんでも書き出してみよう!
 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■■内なる力を信じよう

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

あなたは「欲しいものリスト」の書き方と、それらを心に刻み付ける方法を学んだ。だが、それだけでは、システムはまだ完全とはいえない。

欲しいものを書き出したら、それらのさらに具体的なイメージを描くことが大切なのだ。あなたの欲しいものが車だとしたら「車種」「スタイル」「値段」「色」などなど、できるかぎり詳細なところまで想定する。そして、それをいつまでに手に入れるかを決定する。

家も同じだ。「どんな構造なのか」「間取りはどうなっているのか」「どこにどんな家具を配置するのか」「どんな場所に建てるのか」「予算はどのくらいにするのか」を決めよう。

また、たとえば、あなたがセールスマンで、売上達成の新記録を上げたいと考えているとする。その場合は「合計数字はいくらか」「目標達成期限はいつか」「それぞれの商品を、いくつずつ売り上げるのか」「見込み客は誰なのか」をリストアップする。



もしかすると、こうした作業はバカげているように思えるかもしれない。だが、欲しいものを本当に手に入れたければ、とことんそれらを現実的に思い描くのが当然。決められないとすれば、それだけ「まだまだ本気ではない」ということだ。

さて、こうして具体的に夢を願い続けていると、ほどなくして最初の成功を手にすることになる。このときは、素直に喜び、「無限の力」に対し、言葉に出して感謝しなくてはならない。

こうすることで、あなたはよりその力に対する確信を持つようになるからだ。結果的にそれがさらに多くの夢の実現へと結びつくこととなる。

感謝の言葉は「ありがたい」と心から思う気持ちがなければ出てこないもの。だから、心の奥底からお礼を言い、満面の笑みを浮かべるのだ。

間違っても「こんなことがあるわけがない!単なる偶然に決まっている」などと思わないことだ。疑り深い心は捨て、自分が望めば必ずそれを実現できることを信じるべきだ。



ひとつだけ注意してほしいことがある。それは「無限の力」を使って他人の不幸や死を招いてはならないということだ。この力をもってすれば、かなわないことはないからだ。

だから、欲しいものをリストアップするときは、それが自分や仲間、家族に最善の結果をもたらすものかどうかをよく確認することが必要だ。

最初はお金や職場での業績、欲しい商品など、身近な目標を書き出すことをお勧めする。これらは比較的、実現しやすく、結果が早くでるからだ。

「気になる癖を直す」「他人を幸福にする」「病気を癒す」といったテーマは、変化が目に見えづらいので、当初は避けておこう。

ちょこちょこと小さな目標を達成してゆき、それからじょじょにハードルを挙げていく。少しずつ大きな目標へとチャレンジするのだ。



自分のレベルが上がれば、身の丈に合った目標が、自然にリストに上がるようになるもの。やがて、自分のためだけではなく、他人の手助けになるような夢も書き込まれていくようになるにちがいない。見返りを求めずに人を助ければ、それがめぐりめぐってあなた自身のためになるはずだ。

このシステムを拒否するのも受け入れるのも、あなたの自由だ。そう、選択肢はあなた自身の手の中にあるのだ。ただ、現実に何千人もの人が実際にこのシステムを実行して、人生をよりよいものにしていることは知っておいてほしい。

理解しようとしてはいけない。この力のすばらしさは、人間の理解力をはるかに上回るものだからだ。ただ、目の前に現実として成就される出来事をひたすら受け入れ、喜び、感謝することだ。

そして、この力を心の底から信頼するのだ。そうすれば、ごく簡単な、3つのステップが、あなたの人生を今日から変えてくれるのだ。


『イット・ワークス 夢をかなえる赤い本』
RHJ (著)、三浦 哲 (翻訳)、
藤井孝一(要約)
ビジネス選書&サマリー★リーダーズ発行人                        ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
出版社: 成甲書房
ISBN: 4880861804
発行日:(2005/03/18)

◆RHJ
1926年に『イット・ワークス―夢をかなえる赤い本』を匿名で刊行
したアメリカ人富豪。巨万の富を手にした実業家であり、慈善事業
に多くを捧げた人物という以外には、明らかにされていない

カウンセリングとコーチング
ビジネス・コーチング入門
社会人のためのカウンセリング
ライフワーク・コーチングの奨め
トップページに戻る

主要メニュー
コーチングを受けて見ませんか  コーチングとは  コーチとは
コーチングの例(パーソナル)  コーチングの例(ビジネス)
体験コーチングの進めかた    体験コーチングの申し込み