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コーチングとリーダーシップ

SL理論

米国オハイオ大学で研究された有名なリーダーシップ論にSL理論(Situational Leadership Theory)というのがあります。部下の成熟度の度合いによって、リーダーシップのスタイルを変えていかなくてはならない、というものです。

大雑把に言って、リーダーシップは指示(命令)と支援(相談による引出し)から成り立っています。支援(相談による引出し)の別称がコーチングです。

@部下の成熟度が低いときは指示が主体で、支援は少ないのが良い。(新人の部下に相談しても、何もでてこない)

A部下の成熟度が中程度に至るまでは、指示を減らし、支援を増やしていくことが必要である。(2〜3年目の部下の場合は、自分で考えさせないと育たない)

B部下の成熟度が中程度以上のレベルに達した場合、指示も支援も減らすことが望ましい。(ベテランの部下の場合は、部下の方が良く知ってるので、必要以上の介入は良くない)

適切なリーダーシップ・スタイルは下記のように変化していきます。

@指示リーダーシップ → A支援リーダーシップ → B委任リーダーシップ

コーチングは成熟度が中程度にいたるまでのAの段階に最も効果のある手法です。コーチングを見境なく@やBの段階に適応しようとすると失敗します。コーチングは決して万能ではなく、相手のレベルの見極めが大切です。
 
2〜3年目の社員に、いつまでも新入社員同様の指示・命令を継続していくと、社員は考えなくなり、指示待ち人間になってしまいます。指示・命令は新入社員に良くても、2〜3年目の社員に対しては、育つ芽を摘んでしまうやり方なのです。
 
挙句の果てには、仕事がうまくいかなかった場合、上司の指示が悪かったからだ、自分は指示通りやった、と文句を言うようになってしまいます。ですから、A支援リーダーシップでは指示を減らし、支援(コーチング)を増やしていくことが必要であるわけです。
 
A支援リーダーシップが行き着く先はB委任リーダーシップです。この段階になると、指示も支援も減らす代わりに、組織の意思決定への関わる度合いを増やして行きます。つまり幹部会に出席してもらい、発言してもらえばよいのです。こうすると放任にはなりません。
 
落下傘降下人事にはコーチング
 
リーダーシップは通常、@指示 → A支援 → B委任 と進化していきますが、逆に、B委任 → A支援 → @指示 と進んでいくケースもあります。

たたき上げでその部署の長になるのではなく、他の不慣れな部署に長として赴任することを、俗に「落下傘降下」人事と呼びます。

落下傘降下で、上司が全く違う組織の長に人事異動で来た場合を考えてみます。この場合上司は何もしなくても、組織の業務は流れては行きます。しかし組織が問題を抱えていて介入を必要とする場合、上司は白紙の状態から徐々に食い込んでいかなければなりません。この場合、リーダーシップは、

B委任 → A支援 → @指示

の逆順に食い込んで行く必要があり、結構難しいアプローチで、上司の器量が試されると言えます。落下傘降下人事では、

・部下の方が仕事ができる
・部下がすべてを把握している

状態です。赴任当初は部下から仕事を教えてもらわなければならないのですから、コーチングは落下傘降下人事においては必須のスキルなのです。

コーチングは、部下に任せて考えさせる、他人のふんどしで相撲を取る手法です。そして他人のふんどしで相撲を取ることを恥とせず、むしろ部署のパーフォーマンスが最大化できるのをもって良しとする手法でもあります。寡聞にして「落下傘降下にはコーチング」というキャッチを聞いたことがありませんが、そういった環境でやっていくための唯一無二の方法ではないかと思います。

落下傘降下で着任したカルロス・ゴーン日産自動車社長がマネジメント手法にコーチングを使ったのは必然であったわけです。

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 2003 Yoshiaki Sugimoto