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コーチングの例(パーソナル/米国)


クライアント:結局、また古い履歴書を引っ張り出すことになりそうです。

コーチ:例の海外での仕事に就けるかどうか、結果がわかったのですか?

クライアント:ええ。しかし、朗報ではありませんでした。また仕事探しを一からやり直さなければいけないようです。

コーチ:その仕事をものにするために、本当に一生懸命やってきましたよね。あなたが最終面接を終えて、はしゃいでいたことを覚えていますよ。でも、今はまったくそれがたいしたことではなかったかのように、軽く受け流そうとしているように聞こえます。本当のところはどうなんですか?

クライアント:本当はとてもがっかりしています。

コーチ:そうですよね。

クライアント:自分としては、あの最終面接ではかなり気合が入っていたのですが・・・。あれ以上どうすればよかったのか、さっぱりわかりません。

コーチ:それは相当がっかりしたでしょうね。

クライアント:ただ、もうこの結果について、いつまでもくよくよしていたくはないんです。

コーチ:わかります。しかし、そうは言いながら、どうしてもくよくよしてしまうようにも聞こえますが?

クライアント:ずばり、その通りなんです。私は今までこんなに落ち込んだことはないと思います。たぶん、今回の仕事を手にして海外に行くことに夢中になり過ぎていたのかもしれません。

コーチ:それって、どんな感じですか? 私は悲しみのようなものを感じますが、あなたはどうですか?

クライアント:お腹に1発、パンチを食らったような感じです。息もつけないくらいの強力なやつを。まっすぐ立つことができないくらいです。

コーチ:その傷みは、いったい何なのでしょうか?

クライアント:さんざん待ちぼうけを食わされた挙句に何も得られず、ただエネルギーの無駄遣いをしたという空しさでしょうか。

コーチ:もしよかったら、今から一緒にその感覚をもう少し探ってみませんか? 私には、この感覚をただやり過ごすのではなく、じっくりと味わうことが大切なような気がするのですが。

クライアント:そうですね。ちょっと嫌ですけど、そのままにしておいてもなくなるものではなさそうですから。

コーチ:では、それはどんな感覚なのでしょう?

クライアント:暗くて尖った感じです。よく見えないけれど、何かでこぼこしたものがあるような・・・。

コーチ:あなたの顔には、何を感じますか?

クライアント:プレッシャーのようなものを、自分の目の裏側に感じます。それから、眉間のあたりがこわばっていて、緊張しています。さらに、耳のなかで何か声のようなものが聞こえます。

コーチ:その声は何と言っていますか?

クライアント:今回はたくさんの声が1度に聞こえてきます。「お前には、そもそもその仕事は高嶺の花だったのさ。だいたい最初の面接がひどかったじゃないか。なのに、運よく最終面接まで行ったんでのぼせあがっちゃって・・・。きっとお前が背伸びをしてたのも、みんなお見通しだったのさ」 といった具合です。

コーチ:なるほど。それではそのボリュームを少し上げてもらえますか? 今のボリュームを5として、6まで上げてみてください。

クライアント:声をですか?

コーチ:声もですが、傷みやプレッシャーなど他のすべてをです。ぜひその感覚を深く探求してみてください。わたしはずっとここにいますから。

クライアント:わかりました。では、ボリュームを上げます。はい、6にしました。

コーチ:何か気づくことはありますか?

クライアント:敗北感です。敗北感がまるで大きな波のように、あらゆるものに打ち寄せ、砕け散っています。

コーチ:敗北感の波ですか。あなたは安全な場所にいますか?

クライアント:ええ、波は私を通り過ぎていきました。

コーチ:心の準備ができたら、ボリュームをさらに7まで上げてみましょう。

クライアント:ああ、そうするとさらに喪失感を強く感じます。まるで夢が死んだような。何か大切なものを築き上げる最後のチャンスが急に消えたような感じです。

コーチ:夢を失ったことを本当に悲しんでいるのですね。その悲しみは、どれぐらいの大きさですか。

クライアント:とてつもなく大きいです。

コーチ:どうもそんな感じですね。今、何か気づくことはありますか?

クライアント:ええ、私は自分でボリュームを下げることができるということです。

コーチ:ボリュームを今下げたいのですか?

クライアント:はい。

コーチ:あなたにまとわりついていた喪失感や敗北感はどうなるのですか?

クライアント:これほどまでにしっかりと自分にまとわりついているとは思いませんでした。今は少しそれがやわらいだようです。

コーチ:それに、それらをじぶんでコントロールできるということにも気づきましたよね。あなたには、それらを受け入れるだけの力があるのです。そして、そこからどれくらい影響を受けるかも制限することができるのです。

クライアント:私はただの被害者ではなく、自分で選択することができるのですね。

コーチ:そうです。では、来週に向けて1つ要望があります。それは、しばらくの間、この喪失感や敗北感の中に身を置いていていただきたいということなのですが、やっていただけますか?

クライアント:冗談でしょう・・・。

コーチ:いえ、真剣ですよ。あなたは、新しい仕事を探すために何をすべきか、その手順はもう知っていますよね。履歴書を書いたり、面接を受けたり、やるべきことをただやるだけです。それよりも、あなたにとって難しいのは、その喪失感とともにいることなのです。それこそがあなたにとって必要な学びなのではないでしょうか。その失望感とともにいることができたとしたら、あなたは何を得るでしょうか?

クライアント:もっと自由になるような気がします。でも、それを喜んでやる必要はないですよね。

コーチ:ありません。それにいつもやっていることをしてはいけないということもありません。大事なことは、こうした喪失感や敗北感に出会うのは、これが最後ではないということです。もし今回、あなたがそれらとともにいることができて、それらとうまく付き合うための筋肉をつけることができたら、また今度同じような感覚を味わった時に、今よりも落ち着いて受け止めることができるはずです。

クライアント:感情のフィットネス・プログラムのようなものですね。

コーチ:そうですね。まさに天があなたのためにとっておきのスポーツ・クラブを提供してくれたのかもしれません。せっかくですから、それを活用して、これからの人生で出会う喪失感や敗北感に負けないだけの強さを身につけてみませんか?ここで、あなたに考えてもらいたい設問があります。それは、「この喪失感から、私は何を学べるか?」 というものです。

クライアント:なるほど。それについて考えることで、たくさんの学びがありそうですね。

邦題『コーチング・バイブル』 R.ウィットワース他 1998年 CTIジャパン訳

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