大塩の乱関係御触Ａ（大阪市史）1

Я［大塩の乱資料館］Я
2002.6.4修正
1999.12.23

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大塩の乱関係史料集目次

「御触」（乱発生後）その１

『大阪市史第４巻下』（大阪市 1913、1927再版）
「御触及口達」より

天保八年二月一九日、大塩の乱発生のあとの御触

達1874

二月廿一日　去一九日市中及乱暴候者共、追々召捕候間、銘々渡世向不危踏、日用無差支様売買致可申事、

大塩乱

道頓堀芝居小屋に罹災者を収容す

暴徒次第に捕縛に就くを以て銘々家業を営む可し

　【ロ達】

去ル十九日市中及乱妨候もの有之、大火（ニ脱）およひ候付、渡世向相休候ものも有之由、右ニ付米価高直之時節柄、類焼之もの共別而令難渋候ニ付、可手寄方無之もの共ハ、道頓堀芝居江罷越候ハゝ、御救致扶助遣候段、其筋惣年寄共より為相達、追々罷越候ものも有之候然（所）、最早及鎮火、右乱妨（暴）之者も追々召捕、尚類焼町々ハ勿論、市中組之者廻り方等申付置候間、銘々渡世向不危踏、日用無差支様売買いたし可申、尤米之儀ハ、其筋のもの江蔵出等之義申聞置候処、旁右商売筋之者ハ猶更無違失相心得、此段草々不洩様可相達（候脱）事、

（御触書并承知印形帳）

○南組惣年寄の副書日付は二月廿一日なり、

　【提札】

類焼之もの共、家財広場途中等へ持出、自身番いたし罷在候分、掛り町申付、右家財預り遣ゝ間、致案（安）心、芝居へ罷越御救請候様、其場所ニ而相達候、其段相心得置可被申候事、

（御触判形帳）

達1875

二月廿三日　去十九日天満川崎より及出火、類焼難渋之者多有之候間、材木板類其他諸色直段引上申間敷、并類焼之者を見込、家賃手間賃等引上申間敷事、

大火に乗じ材木板類諸色直段騰貴せしむべからず

家賃手間賃を貪る可からず

　【ロ達】

去十九日天満川崎より及出火、類焼ニ逢候もの多、可致難儀條、材木板類其外都而諸色、出火以前之直段通ニ可致売買候、実々直段引合不申候ハゝ、追而可申出候、其節可及差図候、若徳用ニ迷ひ、非分之売方致間敷候、尤右類焼ニ逢候もの共、追而店借又ハ普請等可致候得共、身軽之もの共ハ夫迄之取続尚更及難渋、可手寄方無之もの共、御救被遣候程之儀ニ付、家持・并大工・手伝職惣而普請方ニ携候職人共迄も心を用、聊利欲ニ不拘、相応之店賃を以貸附、職人共ハ極之賃銭ニ而相働可申、若難渋を見込、店賃手間賃等を引上、含（貪）ケ間敷義有之ニおゐてハ、夫々急度咎可及候、此旨三郷町中家持・家主・支配人・職人等へ不洩様可申聞置事、

（御触書并承知印形帳）

○南組惣年寄の副書日付は二月廿三日午上刻なり、

補達577

同日　類焼人へ為御救鳥目被下候事、町々火之元番人之儀、尚更心を付、類焼町之番人之居所ハ、掛町々ニ而取扱、引渡候様可致事、

類焼人ヘ救助として銭を賜ふ

町々火之元番人

類焼したる番人の居所に掛町々をして建築せしむ

類焼人江為御救鳥目被下候間、其段類焼之町々混雑中ニ付、各町々より可被相達候、尤鳥目高之義ハ追而可相達候、

一丁々火之元番人之義、大火後之儀ニ付、尚更心を付、類焼丁々分も、番人之居所も及類焼候義ニ付、此間より各町々江掛り申付、右番之所出来候付、丁々江引渡、番之義其町々之内より申合罷出、無怠いたし候様可被申達候、

　　但、有り合を以懸町より相渡候分ハ、運賃御入用を以被下候、

　右之趣類焼之外町々江も、為心得可被申聞置候事、

　　　　　　南組惣会所印

下ケ紙ニ
類焼難渋人江御救被下候ニ付、道頓堀芝居江罷越候者、掛町印形之手形札無之分ハ、其町之年寄又ハ家主町名（人カ）ニ而も調印之書付相添、可被差越候、右類焼之町々江可被相達候、已上、

（御触書并承知印形帳）

○御救掛り町々当番の通達日付は二月廿三日酉上刻なり、

達1876

二月廿八日　悪党共之内、重立候者追々召捕、或者自殺いたし候上ハ、諸商売ハ勿論雛祭等之儀、無懸念可致執行候事、

人心の慰撫

　【ロ達】

去十九日放火及狼藉候者有之候より、女子供ハ別而相恐、今以危踏居候者も有之哉ニ相聞候、右悪党共之内、重立候者追々召捕、或自殺いたし候もの有之上ハ安心いたし、諸商人売買ハ勿論来月雛祭等之儀、聊無掛念、例年之通相祝、取引可致候、

右之趣三郷町中末々迄不洩様可申聞候事

　　酉二月

（御触書并承知印形帳）

○南組惣年寄の副書日付日付は廿八日戌上刻なり、

触5223

三月三日　天満御宮御神輿、明後五日暁還御有之候事、

天満御宮御御輿の立退

其還御

今度出火ニ付、天満御宮御神輿、生玉北向八幡社江御立退有之（候脱）所、明後五日暁丑之（上脱）刻還御有之候、依之火之元之儀、天満郷之内堀川より東ヘハ為触知、其余ハ右ニ付火之元別而入念候様申達可置候

右之通三郷町中ヘ可触知者也、

　　　酉三月三日

（御触書并承知印形帳）

補達578

同　日　天満橋南詰・同北詰・天王寺御蔵跡へ御救小屋被為建、道頓堀芝居ニ被差置候者、右御小屋へ為引移候事、

御救小屋を三ケ所に建つ

道頓堀芝居収容所の移転

施行品寄贈の手続

御救小屋掛は三郷郷分　

類焼町掛町を除き毎夜二町宛御救小屋に出張せしむ

去月十九日大火類焼ニおよひ、可手寄方無之難渋人、不取敢道頓堀芝居ニおゐて御救被下候処、今度天満橋南詰東同北詰天王寺御蔵跡、右三ケ所へ御救小屋御取立、右芝居ニ被差置候もの、今四日より追々右御小屋江為引移候間、其段可被相心得候、

一

右御（救脱）小屋江施行之品等差出度有之向ハ、前以御小屋江罷越、懸り町江引合候上、可被差出候、

一

右御救小屋之儀、被差置候難渋人ハ、不拘其郷打込ニ而差置候へ共、御小屋之義ハ取扱郷々相分り候間、其段可被相心得候、

天満橋南詰東元堺町流（垂脱）形御小屋
右北組取扱
天王寺御蔵跡御小屋	右南組取扱
天満橋北詰御小屋	右天満組取扱

一

類焼町并掛り町相除キ、残り之分町々之内、毎夜弐町宛、順番書付之通、丁代共人足壱人宛相詰可申候、別紙順書相渡置候、

南組懸り丁　
本町弐丁目同三丁日北久太郎町壱丁目

順慶町三丁目北勘四郎町助右衛門町

山本町立売堀四丁目吉田町

薩摩堀東之丁岩田町南竹屋町

鍛冶屋町壱丁目周防町山崎町

南農人町壱丁目丹波屋町上本町壱丁目

同四丁目下半南瓦屋町幸町壱丁目

右之通可被相心得候

　　　酉三月四日

                            御救懸リ
                             惣年寄

御救小屋夜詰丁代弐人人足弐人、申刻罷出、懸り丁と致交代、毎朝懸り町出勤之節、交代之積り、

南組ニ限り候付札
尤町々丁代・夜番・并人足、最初西船場より相始、其余追々可相達候、

                              御救懸リ
                               惣年寄

（御触書并承知印形帳）

「御触（乱後）」目次/その２

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