Я[大塩の乱 資料館]Я
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大塩の乱関係論文集目次


「秋 篠 昭 足 の 追 跡
―大塩平八郎天草逃避説を洗う―」

その2

井形 正寿

『大塩研究 第27号』1989.11より転載

◇禁転載◇

奥並継の所論

 この碑文だけではわからない点が多々ある。しかし、この碑文を書いた秋篠の娘婿奥並継が明治二十六年に『史論』第二号で「大塩平八郎欧洲に失踪す」(1)と題して疑問に答へる形で書いている。重要な箇所でもあるので、その前半の一部を原文の儘再録する。

―とあって墓表の碑文はさきに書いたことと同じことが書かれており、これに続く文章も冗長にわたるので省略したが、この奥の論旨には史実と相違する箇所が多々あるが、これは伝聞伝承の風化によるものであろうか。

 この欧洲失踪説に対し、翌年の明治二十七年に『古今史譚』五巻で後凋生なるものが「大塩平八郎父子欧洲渡航の弁妄」(2)と題してボロンチョンに反論している。


(註)
(1) 明治二十六年発行『史論』第二号七五頁〜八一頁「大塩平八郎欧洲に失踪す」国立国会図書館蔵
(2) 明治二十七発行 楽直子・後凋生著『古今史譚』第五巻六八頁〜八五頁「大塩平八郎欧洲渡航の弁妄」国立国会図書館蔵


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「秋篠昭足の追跡」/目次/その1/その3

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