井形正寿
2003.2『大塩研究 第４８号』より転載
財団法人 洗心洞文庫寄附行為 （大正七年九月十九日許可 同年十月十一日登記） 第一章 目 的 第一條 本法人ハ左ノ方法ニヨリ学術ヲ研究シ国 民道徳ノ向上ヲ計り本邦文化ノ進歩発達 ニ資スルヲ以テ目的トス 一 洗心洞文庫ヲ設クルコト 二 学術講演会ヲ開クコト 三 講演集其他図書ヲ編纂シ之レヲ出版スルコト 四 本邦先哲ノ事跡ヲ調査表彰スルコト 第二章 名 称 第二條 本法人ハ洗心洞文庫ト称ス 第三章 事務所 第三條 本法人ノ事務所ヲ大阪市北区中之島一丁目三番地（公園地内）ニ 設置ス 第四章 資 産 第四條 本法人ハ大阪陽明学会員ノ寄附金参千円及ビ有志者ノ寄附金ヲ以 テ基本財産トス 第五條 基本財産ノ管理方法ハ理事会ニ於テ之レヲ定ム 第六條 本法人ノ経費ハ基本財産ヨリ生ズル利子及ビ事業ヨリ生ズル収入 ヲ以テ之レニ当ツ 第七條 本法人ノ会計年度ハ毎年一月一日工始マリ十二月三十一日二終ル 第五章 役 員 第八條 本法人ニ左ノ役員ヲ置ク 理 事 五 名 互選ニヨリ内一名ヲ理事長トス 幹 事 二 名 評議員 三十名乃至五十名 第九條 理事及ビ幹事ノ任期ハ三ケ年トス 但シ満期ノ上再選ヲ妨ゲズ 本法人設立ノ際ハ設立者ヲ以テ理事トン前項ノ期間在任ス 理事ノ任期満了シタル時又ハ欠員ヲ生ジタル時ハ評議員会ニ於テ 維持会員中ヨリ之レヲ選挙ス 但シ補欠理事ノ任期ハ前任者ノ残任期間トス 第十條 理事ハ本法人ヲ代表シ諸般ノ事務を処理シ理事長之ヲ統括ス 理事会ハ半数以上ノ出席アルニアラザレ バ開会スルコトヲ得ス 理事会ノ決議ハ出席者ノ過半数ヲ以テ之レヲ決シ可否同数ナル時 ハ議長之レヲ決ス 理事会ノ議長ハ理事長之レニ当リ理事長故障アル場合ハ他ノ理事 ノ互選トス 第十一條 本法人設立ノ際ニ於ケル評議員ハ理事会ニ於テ之レヲ嘱託ス 評議員ニ欠員ヲ生ジタル時ハ評議員会ニ於テ之レヲ選挙ス 評議員ハ維持会員中ヨリ之レヲ選挙ス 評議員ノ任期ハ五ケ年トス 第十二條 評議員ハ本法人ノ重要事項ニ関シ理事会ノ諮問ニ応ス 評議員会ハ半数以上ノ出席アルニアラザレバ開会スルコトヲ得ス 評議員ノ決議ハ出席者ノ過半数ヲ以テ之ヲ決ス可否同数ナル時ハ 議長之ヲ決ス 評議員会ノ議長ハ評議員中ノ年長者ヲ以テ之ニ充ツ 第十三條 幹事ノ職務ニ関スル規定ハ理事会ノ決議ヲ以テ別ニ之レヲ定ム 第六章 維持会員 第十四條 本法人ニ金壱百円以上ヲ寄附シタルモノ及評議員会ノ推薦シタ ルモノヲ以テ維持会員トス 附 則 第十五條 本寄附行為ハ理事会ノ決議ニヨリ主務官庁ノ認可ヲ経テ変更 スルコトヲ得
理事長 本山彦一（大阪毎日新聞社長） 理 事 山口房五郎（大阪市会議長） 理 事 森下 博（仁丹社長） 理 事 栗山寛一 理 事 中井隼太（後に江崎政忠就任） 幹 事 石崎東国 幹 事 森山正美（後に就任）
評議員五十名は錚々たる名士が名を連ねていた。男爵藤田平八郎、稲畑勝太郎、尼崎伊三郎、島徳蔵、金沢仁作、久保田権四郎、中山太一、金沢利助、林市蔵、池上四郎、野村徳七、広海二三郎、片岡直輝、小林一三、山田安民、江崎政忠、山本丈之助、吉田豁などである。
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