Я[大塩の乱 資料館]Я
2014.11.21

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『演劇脚本大汐噂聞書』
その45

重扇助

中西貞行 1894

◇禁転載◇

八幕目 奉行所白洲の場 (1)

管理人註
  

     役人替名   一 妾お峰     一 柴田勘兵衛   一 奥方お勇    一 杉山三平   一 娘お次     一 堀伊賀守   一 一子弓太郎   一 内山彦次郎   一 八田又兵衛   一 侍二人   一 高橋佐左衛門  一 四ケ所大勢   一 本田為助      竹本連中   造物 高二重襖、通り 青海浪の唐紙 上下落間 屋敷塀   上手に牢屋口、都て白洲の飾附け、尤敷台附き   敷台に為助、勘兵衛、上下に侍二人扣へ、時太鼓にて幕明く 勘兵衛 何と為助殿、先達て召捕りし平八郎が妾峯、様々問状にかくれど    も、平八郎が行衛存せぬと斗り 為 助 中々一筋縄では白状致さぬと相見へ升る  〔ト 向ふより四ケ所一人走り出て 四ケ所 ハアヽ、高橋様、八田様、大塩が妻子の者を召捕り、只今お越し    で厶り升る  〔ト 引返して這入る 勘兵衛 イデ其由を伊賀守様へ  〔ト 奥にて 伊賀守 イヤ聞た/\○  〔ト 襖を引抜き出て 伊賀守 大塩の妻子召捕りしとあるからは、イテ某が詮議の致さん、ソレ    是へと申せ 勘兵衛 ハアヽ  〔ト 顔にて教へる 侍 ○  御両所、科人召連れ、お越し成されい 両 人 ハアヽ  〔ト 向ふより高橋、次に弓太郎、お勇、お次、八田附て出て 高 橋 コハ伊賀守様直々の御詮議で厶り升るか 伊賀守 如何にも、跡部殿も御同席の所、急病差起り、俄の帰館、夫故某    吟味致さん、ソレ科人、是へ 両 人 ハアヽきり/\歩め  〔ト 舞台へ来り  又兵衛 ハアヽ、仰附けられ升たる守口へ参り、白井幸右衛門が宅へ押入    りしに、早家内の者は逃失せ、幸右衛門は、四五日以前大阪へ罷出    て、未た帰らぬ由、夫より吹田村宮脇志摩は、平八郎が伯父なれば、    早速詮議致せし所 高 橋 平八郎が企の義は、真以て存ぜねども、従類迄もたやされるゝ    は兼ての覚悟と自殺致したれば、其儘相捨、此者共落行跡を手分け    して、やう/\に搦捕り 八 田 まつた附添ふ庄司儀左衛門、手いたく働き候へば、是非に及ば    ず、打取て、立帰り升て厶り升る 伊賀守 ホゝウ、両人共出かされたり、コリヤ、其方共は平八郎の行衛、    真直ぐに白状致せ お 勇 成程仰せは御尤で厶り升れど、夫平八郎、当月十五日に、私共へ    申升るやう、女子供は屋敷にあつては差へある故、父忠兵衛方へ    参る様との申附けにて、谷有村へ参り升たれば お勇・お次 私共は一向に存じ升せぬ 又兵衛 ヤアいふな/\、谷有村へ参りし者が、何故吹田村、志摩が宅に    隠れおつたぞ お 勇 エヽ 又兵衛 上を偽る不届女、イデ此上は拷問せん

大塩噂聞書」
(摘要)



































厶(ござ)り


『演劇脚本大汐噂聞書』目次/その44/その46

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