其五
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第五は表面天満の傘屋で、内実は与力同心出役の際常に随従し
ジヤウドモ
て彼是の用向を弁ずる所謂常供某が、高利の貸金を為すを懲ら
さんが為、故意に百両の金子を借り、封のまゝ差置き、期限を
過ぎて督促火の如きに当り、封金に利息を添へて返し、刀を抽
いてさアこの金子と其方の首と交換する、お上の威を仮りて高
利を貪ること不埒至極と脅し、其罪を謝せしめたといふこと、
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その七
第七は表面天満の傘屋で、内実は与力同心出役の際常に随従
して彼是の用向を弁ずる所謂常供某が、金貸をして高利を貪る
と間き、故意に百両の金子を借り、封のまゝ差置き、期限を過
ぎて督促火の如き時に当り、封金に利息を添へて投出すと同時
に一刀の鞘を払ひ、さアこの金子とその方の首と引換へだ、お
上の威を仮りて高利を貪ること不埒至極と詈つたので、某は叩
頭百拝罪を謝したといふ。
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