其七
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第七は高槻の一旧家から正宗の刀を購ひ、高井山城守から正
宗は天下の銘刀、王公の帯すべきものであると忠告を受けた
処、拙者微賎ながら捕盗糾察の職にあり、宝刀を腰にするも
緩念に備ふる為であると返答したといふこと、
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その九
第九は平八郎が高槻の一旧家から正宗の刀を購ひ帯し、高
井山城守から正宗は天下の銘刀、王公の帯すべきものである
と忠告を受けた時、拙者微賎ながら捕盗糾察の職にあり、宝
刀を腰にするも緩念に備ふる為であると返答したといふ。平
八郎が刀剣を愛した話は他にもあるが、正宗といふのは一寸
困る。身分不相応の名刀とでも直せば佳い話だ。
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