Я[大塩の乱 資料館]Я
2005.10.10

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「大塩の乱関係論文集」目次


『大 塩 平 八 郎 』 その59

幸田成友著(1873〜1954)

東亜堂書房 1910

◇禁転載◇


 第二章 学者
  二 著書 (4)
 改 訂 版

奉納書籍聚
跋

宮崎文庫は外宮附属の文庫で、今は山田市の有志数十名の私有と なり、林崎文庫は内宮附属の文庫で、今は神宮文庫と改称し、平 八郎寄贈の書籍は両文庫に現存し、彼が自筆の跋文は覧る者をし て漫に往時を追懐せしむる種子となつてをる、是等の跋文は夙に 洗心洞塾にて奉納書籍聚跋と題し、本文六丁序文一丁の冊子とし て希望者に領布したのであるが、その伝本は極て少い、序文は中 斎の筆で癸巳秋九月とあれば伊勢へ行つた翌月で、朱子文集を伊 勢豊宮崎林崎両文庫に奉納するの跋、陸子象山全集を伊勢豊宮崎 文庫に奉納するの跋、伝習録を伊勢豊宮崎林崎両文庫に奉納する の跋、古本大学を伊勢豊宮崎林崎両文庫に奉納するの跋、陽明王 子文抄を伊勢林崎文庫に奉納するの跋、都合五篇を取め、「我が 朱子を尊ぶの志は則ちその文集の跋に載せ、朱陸の同異を弁析す るは則ち陸子文集の跋に載せ、良知を核覈するの本は則ち伝習録 の跋に載せ、古本大学を用ふるの由は則ち其跋に載せ、而して陽 明子文抄の跋は則ち只だ我志を述ぶるのみ」と中斎の序文に見え て居る。

 宮崎文庫及び林崎文庫は今合して神宮文庫と改称し、中斎寄贈 の書籍は陸象山全集を除くの外皆現存してゐる。彼が毎部の巻末 に加へた跋文は夙に洗心洞塾にて奉納書籍聚跋と題し、本文六丁 序文一丁の冊子として希望者に領布したが、その伝本は極めて少 い。朱子文集を伊勢豊宮崎林崎両文庫に奉納するの跋、陸子象山 全集を伊勢豊宮崎文庫に奉納するの跋、伝習録を伊勢豊宮崎林崎 両文庫に奉納するの跋、古本大学を伊勢豊宮崎林崎両文庫に奉納 するの跋、陽明王子文抄を伊勢林崎文庫に奉納するの跋、都合五 篇を収め、「我が朱子を尊ぶの志は則ちその文集の跋に載せ、朱 陸の同異を弁析するは則ち陸子文集の跋に載せ、良知を核覈する の本は則ち伝習録の跋に載せ、古本大学を用ふるの由は則ちその 跋に載せ、而して陽明子文抄の跋は則ち只だ我が志を述ぶるのみ」 と中斎の序文(癸巳秋九月)に見えて居る。


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