| 坂騒落着 (３) |
大坂御弓奉行上田五兵衛組同心
竹上万太郎
其方儀、大坂町奉行東組与力大塩格之助養父大塩平八郎、逆意を企る儀とは不心付共、違作の年柄諸民及難渋に付、救民計儀と唱へ奉行を討取、大坂御城を始、諸役所并市中をも焼払、富家の貯金等窮民へ分遣す由を以、右企一味の儀申勧る節、民を救ふため仕成儀は、不筋の儀は有之間敷と存、同意之上盟文へ血判いたし、其上御政道を批判致し、又は無此上恐多文言等認め有之檄文をも一覧に及、中には徹心いたす儀も有之候迚、弥右企発起の手続申合、当朝に至り、所持之鉄炮持参、平八郎宅江罷越候処、内変出来狼狽候様子見受、事成就無覚束存、徒党を可遁と、偽其場を逃去儀共、不恐公議仕方、右始末重々不届至極に付、引廻の上於大坂磔申付之、