Я[大塩の乱 資料館]Я
2003.4.8

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大塩の乱関係論文集目次


「宇津木静区と九霞楼」

その7

森 繁夫

『人物百談』三宅書店 1943 より

◇禁転載◇


 渙卿甞て頼山陽に嘱して、九霞楼記一文を得た、其原本は今渙卿の縁家に襲蔵するところであるが、山陽は親しく楼に臨まなかつたので、幾回となく文意の改更を請ひ、山陽も亦倦まずして、渙卿示す所の図譜に基き、能ふ限り現実に即することを努めたらしい、今其全章をこゝに掲げる、

此記は、山陽遺稿巻七に登載されてあるが、同巻には此記に一章を隔てゝ次に、「簡斎記」がある。こは静区の小父小野田舜卿のために、山陽が稿を作したもので、之に依りて舜卿の為人も想像せらるゝが、かく山陽の筆端に謳はれた舜卿といひ、渙卿といひ、共に直接間接に静区に聯鎖のあることが、偶然とは云へ、亦是奇縁とすべきであらう。


『人物論』目次/その6/その8

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