Я[大塩の乱 資料館]Я
2002.11.22

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大塩の乱関係論文集目次


「大塩事件・天保改革と 住友の〃家政改革〃

―〃家宰〃鷹藁源兵衛を中心に―」

その8

中瀬寿一

大塩研究 第14号』1982.11 より転載

◇禁転載◇

四、別子・立川両銅山改革法
   ―休山か、「新法実施、省略専要」か(一八四三年)― (2)

 さらに年末、友聞の息子の万太郎(友視)を別子に派遣し、その危機を最大限にPRさせつつ、次のような「予州両銅山改革法」(=合理化案)が申渡されている。

一、当御銅山当時の量にては取続難出来ニ付、先一旦休業として稼人共へ申渡候事
 但、諸役所共頭役の者より下財共へ申諭専要の事

一、勘定向不残銀立に致候時ハ、是迄壱匁の賃銀ハ銀にて七分弐厘の積に相立候事
 但、三厘ハ五厘ニ、八厘ハ壱分ニ可致事

一、過銀相渡候節、礼ニて相渡候ニ付、右七分弐厘ハ銭七拾弐文ニて相渡候事

一、米并諸色共、直段引直候事
 但別帳に細記

一、諸賃銀右同断之事

一、米・鉄・鯨油の三品ハ是迄別して損ニ相成候事ニ付、格別ニ直段引上ケ貸付可申事
 但、米ハ京舛、鉄ハ正目、油ハ正舛にて相渡候、直段の儀ハ別帳ニ細記

一、餅米正月ハ見計ニて貸渡候、其余ハ相止可申事

一、大豆、小豆、酒、貸方銀売共相止候事

一、両役所并炭山共、残銀預り、月々払入候事
 但、払入之儀別帳に細記
 残銀預の上、月々過銀払遣候ニ付、当銀通と同様に候
 米壱斗、鉄、油、味噌、五尺筵、烟草

一、右之通残銀払入ニ用捨致遣上ハ   舗方  ノ褒美引取候事
 水引賃ハ、来春相様し候上定候事
  吹方
 判増引取候事
 歩褒美炭褒美遣し候事
 但、判増不残引取候ニ付、此歩炭の褒美ハ用捨を加へ
 是迄より少々相増、并褒美の人数共相増遣候事
 褒美酒、半滅ニ致候事
  炭方
 元山炭買入、是迄の通
  但、賃積古格の通、風袋様之儀、厳重に可致事
 炭十貫目ニ付、是迄定賃より壱弐分引取候事
 焼ハ五厘引下候事
 炭焼の内、迚も残銀払入出来不申者共ハ、通差止候事

一、新居浜より立川へ運送馬駄賃并立川より銅山へ運送 中、持賃双方下荷賃銭の儀ハ、是迄格外下直にし米過半 貸渡候訳を以、歩並合より賃安にて相済来候得共、此度 改法の直段にて貸渡候ニ付、是迄の賃銭より少々引上遣 し候事
 但、米直段ハ別帳ニ細記

一、出店相止候事

一、白炭高直の場所相止候事

一、山里諸取替銀ニ相直候事
 但、是ハ来春ニ可致事

一、売物類、有物鏈大炭其外有物の分、不残銀ニ相直候事
 但、右同断

一、御番所銀売の品相断候事

右之通銀立の仕法其外此間中一統より申出候簾々を以、尚又存寄申談候間、聊無腹蔵銘々存意す

 卯十二月            支配人
        元締
        役頭 中


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