Я[大塩の乱 資料館]Я
2018.5.3

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「大塩の乱関係論文集」目次


『飢饉資料』(抄) その112

司法省刑事局編・刊 1932

◇禁転載◇

第四章 飢饉の私的対策
 第一 代用食
   〈三〉粮食調理法(備荒録 一一一頁以下)
     一 甘藷外五十六項(8)

管理人註
  

       作 食 法  山製粉は上中下の製を分たざるの前の粉なり、此迄の製造は前に述るが如く、 至て易し、さて乾したる粉を水に解き、再びとなし木綿嚢にて圧搾し、滓を去 り、其後両三回水飛して、又曝し、乾して用ひ、粉団焦餅等好みに任して製し、 糧を助くべく、又諸品の糊に用ふべし、中製粉は上製を取りし次の粉なり、之を 以て饅頭を製するは葛製の如くすべし、粉団等にするは葛粉蕨粉の製造と同じ、 都て吉野葛を以て製する乾の類皆此粉を用ふれば最も好し、厨用に供する                      あ げ も の は葛粉に代用す、「あんかけ」の類大に好し、油溶物には饂飩粉を代用すべし、 下製粉は上下の粉を取りし跡の粉なり、亦粉団と為すべし、滓は民間第一の糧 とす、灰汁にて煮熟せるを乾し莅蔵すれば幾年を経るとも虫生ぜず、囲粉囲稗 等に代用して益少なからず、此滓を碾磨にて楡屑し、能く篩ひ、後五穀或は蜀黍 蕎麦等の粉に三分一、又は四分一雑へて粉団とすべし、又蒸して餅に製するも能 く草餅とする最好し、焦餅雑水製法頗る多し、飯に炊くには挽割の如き滓にても 五穀の類を交へ、菜飯稗飯等を炊く様にすべし、糒にするは荒麦と等分の分量に       して別々に熬り、滓は麦より生熬りにして碾磨に付する時合一にして楡屑すべき なり、(三物考抜抄)

  


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