Я[大塩の乱 資料館]Я
2017.11.18

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「大塩の乱関係論文集」目次


『飢饉資料』(抄) その96

司法省刑事局編・刊 1932

◇禁転載◇

第四章 飢饉の私的対策
 第一 代用食
   (一)食用草木(備荒録 五四頁以下)
     二 食用草木 葉茎之部(22)

管理人註
  

  すめのひゑ 灯心草科 地楊梅 やりんぼ、すゞめのだんご(紀州)   原野向陽の地に生す、小草にして葉形披針状多く叢生し、微毛あり、春  月細梗を抽く、二三寸頂に小花攅簇して毬をなし、黄葯を出す、此実を採  りて炒り粉となし、 食ふ、亦救荒の食糧となす   すべりひゆ 馬歯科 馬歯 すべりひやう(佐州) すべりぐさ         (木曾) いずひやう(相州) すんべらびやう(加州)         いわひずる(伯州) ぬめりひゆ(防州、豊前)         すめりひやう(会津)   路傍或は畦圃に生ず、初夏苗を生す、葉形倒卵円にして厚く、長さ六七  分許両対す、円茎淡赤色地に布きて、直立せす、枝を分ち、茎頭の葉腋毎  に五裂の小黄花を着く、此草多肥夏採りて倒垂し置くも、久しく枯葉せず  して、其茎頭上に向ふ、此草和漢共に食用となす、此嫩茎葉を連ねてき、  味噌にて食ふべし、又舶種の茎葉稍々長大にして横布せず、高七尺に過ぐ  る者あり、「おとすべりひゆ」と呼ぶ、漢名楕耳菜なり、黄緑二種あり、  倶に食用となすに軟脆にして味佳なり、又きて乾貯ふも可也   すいな 虎耳草科 ねふり、ひめなのき、さかなよめ(熊野)                                ヤ ロ ジ   勢州、紀川等海辺山中に多し、落葉潅木にして高五六尺、葉形旌節花に  似て、淡緑色稍々薄く、柔に尖頭楕円細鋸縁をなし互生す、五六月枝頭或  は葉腋に梗穂を出す、二三寸細小花を綴り、後実を結ぶ、朴樹の実の如く、  十一月頃熟して黒褐色となる、此樹枝を挿みて活し易し、熊野にては此枝  の心を取り、灯心の代りに用ふと云ふ、山民此嫩葉を採り食用とす、又  きて苦味を去り、乾貯ふ   すぎな 木賊科 接続草   原野陂堤等に生す、節々相次処皆承座あり、葉節を抱く、松針の如くに  して軟緑色高七八寸、稍長すれば茎伸葉踈となり、一尺余に至る、花実な  く、其叢生する者を遠望すれば、杉樹に似たり、故に杉菜と名く、嫩葉  て飯に和し、味淡甘微松気あり

   

 


『飢饉資料』(抄)目次/その95/その97

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