Я[大塩の乱 資料館]Я
2017.11.15

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「大塩の乱関係論文集」目次


『飢饉資料』(抄) その95

司法省刑事局編・刊 1932

◇禁転載◇

第四章 飢饉の私的対策
 第一 代用食
   (一)食用草木(備荒録 五四頁以下)
     二 食用草木 葉茎之部(21)

管理人註
  

 すゞめのえんどう 荳科 小藁菜 ひめえんどう   野生直立せず、蔓延繁茂す、葉は細小翼状、其七八対頂に美鬚あり、葉  腋より細梗を出し、寸余にして四五花を着く、細白花にして、実は淡紫を  帯び、後短小の莢を結ぶ細子二粒あり、茎葉花を連ねて、共に食す  すひかつら 忍冬科 忍冬 須比加都良(本草和名) 須比加豆良        (和名鈔) ゑび   諸国山野に多き蔓草なり、葉形楕円にして両対し、三月板梢の葉腋に左  右相対し各二花を並開き、弁脚は細筒をなし、淡紅色を帯び、其末分れて  二となり、其一片は頂に四個の浅き欠刻あり、一片は稍狭くして欠刻なし、  此花初め白く、後赭黄色となり、黄白相雑る、故に金銀花の名あり、此花  を採り、弁脚より吸へば、甘液あり、児童好みて吸ふ、故に「すひかつら」  の名あり、花後小円実を結び、冬に至りて黒熟す、漢土にて暑月に此花を  茶となし、飲用することあり、又花を蒸餾したる露水を金銀露と呼び、健  胃の效あるの説あり、今世に称する忍冬酒は野薔薇花を蒸餾して製するに  依り、此野薔薇に「さかやにんとう」「にんどういばら」等の名あり、凶  歳には嫩葉を食とす   すいば 蓼科 酸模 すかんほう(東京) すいはす(大阪)       すがんほう(和州) おごぼう(勢州) あかぎしぎし       (筑前) いねだいわう(予州) すかな(会津)   原野路傍に自生し、葉方羊蹄に似て稍々箭形、鈍頭にして稍長く、一根  叢生し、薹を抽く、二三尺花を開き実を結ぶ、亦羊蹄の如し、茎葉花共に  紅色を帯び、其味酸也、故に「すいば」「すかんぽう」等の名なり、村民  此嫩葉をき、醤油にて食ふ、又童子は嫩茎を採り、生にて噛む、洋説に  も清血防腐の効ありと云ふ、又蔬となし食用となすと云ふ、即舶種の「ア  ランススイバ」は、其葉濶大にして味殊に佳也、又此植物は臭酸を含有し  居るを以て、小児の好て多く食するは衛生上に宜しからず

   


『飢饉資料』(抄)目次/その94/その96

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