Я[大塩の乱 資料館]Я
2017.12.15

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「大塩の乱関係論文集」目次


『飢饉資料』(抄) その98

司法省刑事局編・刊 1932

◇禁転載◇

第四章 飢饉の私的対策
 第一 代用食
   (一)食用草木(備荒録 五四頁以下)
     三 食用草木 花実之部(2)

管理人註
  

 いちゐ 殻斗科 鉤栗                    トチ   諸国に産し、此木は木之甜者其状如櫟、又之謂鉤櫟木大数囲葉比干  子略薄硬有鋸葉子形似椎子、而有縦理(子味苦凡樫釣栗椎子三物相似  如小椀俗呼名供器)灸て食す  はしばみ 殻斗科 榛   奥羽の山中に自生す、葉狭長、実形長く、榧実に似たり、寒国を上とす、                                  シバ  又数品あり、良なる者は皮薄く、仁多し、実は新枝の梢に生ず、大さ茅栗  の如くにして円尖淡白、下は薄葉を以て包む、萼大にして実は小し、殻を 去れば、内に白仁あり、生食すれば味栗の如し  ときはあけび 木通科 野木瓜 郁子(古名) むべ、まるあくび   (熊野) つるかき、いたみむくまんじう   蔓草にして通草の属なれども、常緑品なり、勢州、紀州、九州等の山林  に自生し、昔時近江、奥の島より此実の熟したるを禁中へ献ぜし例あり、  甘実にして食用となす   とち 無忠樹科 七葉樹 止知、止知乃美、栃(栩)、橡(和名鈔)       天師、栗、とちにおしよう(北海道)   七葉樹は諸州深山に多し、落葉喬木にして周囲数抱に至る材質淡黄白色  緻密にして美なり、其の木理の皺絞をなすちゝれ栃と云ふ、器具に造り愛  翫すへし、此樹皮苦渋、西洋説に幾那の代用となすべしと云ふ、故に世医  往々之を用ふるものあり、又美濃の土人は此皮を赤褐色の染料となす、葉  形は長柄ありて、七小葉柄頭に聚り、七指葉の状をなす、五月枝頭に穂を  抽き、花を開き、後円実を結ぶ、外皮茶褐色内に一二、或は三種子あり、  熟すれば自ら三裂し、種子脱落す、形略々栗に似て円扁其色は黒褐なり、  ひた  殻を去れば黄白色、味苦し、山民之を渓流にし、苦味を去り、米粉を加  し搗きてとなすを「とちもち」と呼ぶ、啻に凶歳のみならず、平常の食  用とすへし、故に江洲伊吹山にて此樹を禁伐したり、又此の嫩葉はき、  或は茶煙草に代用す





(かし)


(きゅう)







(かや)






















栩、橡
(くぬぎ)





木理
(もくり)











(ひた)し


(し)


(ただ)


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