Я[大塩の乱 資料館]Я
2017.12.16

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「大塩の乱関係論文集」目次


『飢饉資料』(抄) その99

司法省刑事局編・刊 1932

◇禁転載◇

第四章 飢饉の私的対策
 第一 代用食
   (一)食用草木(備荒録 五四頁以下)
     三 食用草木 花実之部(3)

管理人註
  

         よもぎ  よもき 菊科 艾   山中及び原野に多し、春宿根より生じ、夏に至りて其茎漸く長す、秋細  茎を分ち、花を生じ、後実を結ぶ、春嫩葉を採り、蒸し之に米及蕎麦粉を  加へ、搗きてとなし食す、又秋実の熟したるを採て能く干し粮に貯ふへ  し  つくばね 檀香科 胡鬼子 かはまめ(信州) かいまめ(濃州)   諸国山林に生ずる落葉潅木なり、葉は対生し、長形細尖頭にして、立夏  後枝頭に細花を綴る、雄木雌木あり、其実に翅ありて女児の玩ぶ羽子に似  たり、故に「つくばね」の名あり、此実下酒の料となし、山民塩蔵し鬻ぐ  もの多し、或は炒り食す、嫩葉は摘みて蔬菜とす、味淡甘佳なり  くぬぎ 殻斗科 檪 つるばみ(実の名) かしはき、どんぐりくのき、       しだみ(東国)   葉形栗又抱に似て鋸歯の端に弱刺あり、実は稍円大橡椀児に柔刺あり、  材は焼きて上等の炭を得、此実は平常小児の翫物となすのみと禹も、凶歳  には又採りて、栃実の如く渋を取り製し、糧とすべし   くちなし 茜科 梔子 久知奈之(和名鈔)   諸国の山林に自生す、殊に暖地に多し、人家にも多く栽えて、藩籬とな  し、花を賞し、実を収む、葉は倒卵円にして頂尖り、厚硬にして対生す、  五月花を開く、純白六裂の盆状をなし、瓣厚くして香気あり、後実を結ぶ、  其形両尖楕円にして、縦に六稜あり、或は八九稜に至る、熟すれば黄赤と  なるを以て、黄色の染料となし、又漢医薬用の品とす、此花を摘み、酢味  噌にて食ゑば、味佳也、或は此花を乾し貯ふ、又梅醋に紫蘇を和し、此花  を漬くれば、紅色に染みて美なり、下物とすへし、漢土にて此花を梅醤密  糖にて製し、美菜になすといふ


















胡鬼子
(こぎのこ)




(はね)

鬻(ひさ)ぐ





殻斗科
(かくとか)
ブナ科の旧称











梔子
(くちなし)

藩籬
(はんり)
垣根


(べん)


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