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更に転じて、広く天地自然の現象を考察しましても、一切活動の元機
秘密はやはり目に見えぬ空虚に存するのであります。行く水の流れは絶
えずして、しかも元の水に悲ざる河川は素より、己が心のまゝに吹くて
ふ風に致しましても、気圧、気流によつて絶えず調和を求めて已まぬそ
の運動を促進するものは、やはり目に見えぬ空虚であります。
天文の現象に就いても、私は空虚中心説を信ずる者であります。しか
し天文となると題目があまりに大きくして終に無現に達し、星一つの神
秘を解くにさへ、私共の心を宗教的信仰に導かずには已まないものがあ
ります。ニユートンの引力説は天体運行の現象を一応説明し得た様であ
りますが、近くアインシユタインの相対性原理はそれが猶絶対のもので
ないことを証明してゐるのではありませんか。ルネ・デカルトの渦巻に
関する所謂 Cartesian System やアブラハム・ウエルネルの Neptunian
Theory なぞは、恐らくラブラスの星雲説のヒントとなつたもので、天文
の現象を解するに欠くべからざる予備知識ではありませうが、終に以て
天文の黙示せる大なる謎を解くの鑰とするに足りません。
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Cartesian
デカルト学派の
neptunian
海王星の
ラブラスの
星雲説
宇宙の塵が集
まり星雲にな
り、更にそれ
が集まって星
が誕生する
鑰
(かぎ)
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