Я[大塩の乱 資料館]Я
2000.12.10

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「浮世の有様 巻之六」

◇禁転載◇

江戸より来状の写

     
 






二月十九日大坂騒動後は、江戸地の人気も何となく強く相成り、兎角騒々敷く気立候人心に相見え申候。夫と申すも米次第に高直に相成候故、人気立ち候由に相聞え候。

其米は代金一両に付一斗七八升に御座候。白米小売百文に付二合五勺より六勺迄、依之猥に米屋へ勝手儘に買ひに参候事不相成候。

 





 





町々名主より富の札の様なる切手、一人前に一枚づつ相渡し候。右切手にて百文分二合五勺宛は買求め出来申候。其余は決して米屋にて売不申、二人暮の者は二枚、三人暮の者には三枚と申様に人別にて、名主より毎日支配下町家へ切手相渡し申候。右に付一人前に百文分より其余は求め候事出来不申候。依之市中難渋人多く、諸式直段何に寄らず騰り申候。

当秋新米取続に相成候迄は余程長き事、此末如何に相成候こともやと、一同市中心配の事に御座侯。

 




     


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