矢野太郎編『国史叢書 浮世の有様 2』 国史研究会 1917 所収
| 例 言 |
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一、本編には浮世の有様第三冊・第四冊・第五冊(前)を採収す。
一、本書載する所は、大率文政十二年より天保九年に至る雑録にして、就中文政十二年大塩の功業に関する事、同十三年京都大地震の事。改元勘文の事、本願寺一件、天保元年琵琶湖水落し事件、同二年勢多川浚渫の事、京畿の変災、毛利領中百姓一揆に関する事、同三年鼠小僧の判決、同六年・七年に亘る仙石家大騒動、天保六年長崎唐人騒動の事等は最も詳密にしてして異彩あり。当時の人情・風俗を窺ふべき絶好の史料たるを疑はず。
一、巻帙の都合により第五冊を仮に前・後の二編に分ちて採収せり、読者幸に之を諒せよ。