Я[大塩の乱 資料館]Я
2003.4.19

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『洗心洞箚記』 (抄)

その12

山田 準訳註

岩波書店 1940 より



◇禁転載◇

序 説

三 著書

一、古本大学刮目七巻

 天保七年上梓(一説に天保三年)。梱外不出之書として門人以外に示さざりしも、其の後感ずる所ありて上梓せり。(日本陽明学下巻、日本倫理彙編第三巻所収)

二、洗心洞箚記二巻 附録抄一巻

 天保四年上梓、後同六年公刊。随筆、随感の体にして、中斎の学説を窺ふに最も緊要なるもの。上巻百八十條、自述の序を附し、或問二條を加ふ。下巻に百三十九條を収む。天保六年之を重刊するに当りて、中斎の「後自述」を加ヘ、更に下巻の末尾に門人松浦誠之、湯川幹等の跋文を添ヘ、又「洗心洞箚記附録抄」一巻を附刻す。(大日本文庫儒教篇陽明学下巻、日本精神文献叢書(抄出)所収)
 別に洗心洞箚記抄録二巻(写本)あり。箚記中より七十五條を抄録せるものにして、中斎自ら抄出して佐藤一斎に贈りたるものの稿本なり。

三 儒門空虚聚語 二巻 附録一巻

 天保四年上梓、本書は経語十一則、註疏九十七條を上巻に、先儒の語百十一條を下巻に収む。中斎の学説が、帰太虚を信條とせることを認めつゝも、之を疑ふ者の少なからざるを以て、本書を編して之を明かにし、仁と云ひ中と云ふも皆太虚に出づるを説けるもの。猶本書には猪飼敬所が訓点の錯誤を校讎して返せるものの中若干條を欄外に追鐫して、「追鐫猪飼翁校鐫之記」一篇を下巻の末尾に附し、附録(一巻)には弟子の質疑に答へたる書牘、附録引を収む。(日本陽明学下巻、日本倫理彙編第三巻、所収)別に秋山青渓、儒門空虚聚語訓解昭和十二年版あり。

四、増補孝経彙註 三巻

 孝経彙註は孝経大全中に編入せられたる書にして、明の江元祚が刪輯せるもの。之を彙註と云ふは、朱鴻・孫本・虞淳煕の註書を刪輯せるに因る。中斎此の書を読みて、天地聖人易簡の道是に於て之を獲たりとなし、諸子の説若干を補入し、時に自己の按語を加へ以て上梓せるもの即ち本書なり。天保五年上梓。中斎四大著の一なり。(日本陽明学下巻、日本倫理彙編第三巻所収)

五、洗心洞学名学則並答人論学書 一巻

 天保五年上梓。本書は学名学則を巻首に置き、論学書十條を附載して儒門空虚聚語の附録とせるものなり。

六、古本大学旁註 一巻

 本書は王陽明の古本大学旁註に中斎が補註を加へたるものにして、明治二十九年東京鉄華書院刊。

七、奉納書籍聚跋 一巻

 本書は中斎が伊勢山田所在の豊宮崎、林崎の両文庫に奉納せる書籍に添加せる跋文を輯めたものにして、天保四年上梓。(帝国図書館蔵)

八、洗心洞詩文 二巻

 本書は中尾捨吉 号水哉 の編に係り、上巻に中斎の詩百五十余首、下巻に洗心洞入学盟誓を首として、学堂東西掲学名学則等の文十数篇を収む。明治十二年刊。文人中斎を知る好資料ならんか。


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