● ●りやうこう
一五 慎独と克己とは、両功なきが如しと雖も、易
● かう すなは ● ぞく れい
の三百八十四爻は、便ち是れ慎独の工に属す。礼
●
の三百三千は、便ち是れ克己の工に属す。然り而
どく おのれ をは
して真に独を慎めば、則ち己に克ち了る。実に己
どく
に克てば則ち独を慎み了る。始より両功なし。故
に三百八十四爻は、礼の体なり、三百三千は、易
● げん もと
の用なり。体用一源、皆道に原づくなり。夫れ道
なるものは、太虚のみ。故に学んで太虚に帰すれ
のうじ をは
ば、則ち人の能事畢る。
慎独克己、雖如無両功、易三百八十四爻、
便是属慎独之工、礼三百三千、便是属克己之
工、然而真慎独則克己了、実克己則慎独了、
始無両功、故三百八十四爻、礼之体也、三百
三千、易之用也、体用一源、皆原於道也、夫
道也者、太虚而已矣、故学而帰乎太虚、則人
能事畢矣、
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●前章に出づ。
●両功。二つの
しごと。
●三百八十四
爻。卦の横画、
易は八卦が六十
四卦となり、一
卦六爻が三百八
十四爻となる。
●工。功に同じ、
●三百三千。中
庸に経礼三百威
儀三千とあり。
●体用一源。本
体と作用とは同
一源流にして、
別物に非ず。
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