● たのしみ
一二六 顔子の楽は、万生の楽を以て楽と為す。朱子
曰く、「人の楽しまざる所以は、欲あるのみ。欲無
すなは
ければ便ち楽しむ」と。それ心無欲の時に当つては、
只だ虚のみ。虚なれば則ち万生の楽を以て楽と為す。
何となれば万生吾が虚中に在るを以てなり。顔子は
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亜聖にして、既に其の境に至る、故に楽しむ。吾人
と雖も、もし欲なければ則ち必ず顔子と其の楽を同
じうせん。
顔子之楽、以 万生之楽 為 楽、朱子曰、「人之所
以不 楽者、有 欲耳、無 欲便楽、」夫心当 無欲
時 、只虚而已、虚則以 万生之楽 為 楽、何者、
以 万生在 吾虚中 也、顔子亜聖、既至 其境 、故
楽焉、雖 吾人 如無 欲、則必与 顔子 同 其楽 矣、
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●顔子の楽。論
語雍也篇に「一
箪の食、一瓢の
飲、回や其の楽
を改めず」とあ
り。
●亜聖。聖人に
次ぐもの。
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